資格取得
(写真=PIXTA)

現在、全国に6000万人近くいるサラリーマンの平均年収は2015年には415万円となっており、いよいよ400万円ラインを割りそうな勢いにある。多くのサラリーマンが将来に不安を感じ、そんな中で注目されているのが、自己防衛策としての「資格取得」だ。資格を取得することによって、「自分のビジネスマンとしての価値を上げたい」からなのだろう。しかし、本当に資格取得は有効な手段なのだろうか。

もはや「資格取得」は役に立たないのか?

資格取得といっても、現実的にはすでに「士業」と呼ばれる業界にまで、価格破壊の波は押し寄せている。かつては高給取りといわれた「弁護士」「司法書士」「税理士」などでさえ、今は年収300万円台の人が普通にいると聞く。彼らは皆、「資格」で食べている職業である。

同じ資格職であっても、医者などのような究極の専門職なら大丈夫なのかといえば、そうでもない。現在、人工知能やビッグデータの活用、ロボット技術などの開発スピードは加速しており、急速に自動化が進んでいる。どの分野も例外なく、いずれはロボットが進出してくると思われる。歯科医院に至っては、コンビニよりも多いという現実もある。

2014年、英オックスフォード大学のマイケル・A・オズボーン准教授らの手による論文『雇用の未来〜コンピューター化によって仕事は失われるのか』の中で、「米労働省が定めた702の職業のうち、半数近くが10年以内に機械に取って代わられる」という研究結果が発表され、世界に大きな衝撃を与えた。しかし現実は、その予想をはるかに上回るペースで進行している。