ツイッターは、2013年11月にニューヨーク証券取引市場に上場しました。上場初値は45.10ドルで、株式時価総額は244億6000万ドルでした。2013年12月26日には、74.73ドルという高値がつき、マーケットからの期待が現れていました。2014年にはいると株価は下落続け、5月には29.51ドルの安値にまで至りました。5月28日には、約一ヶ月半ぶりの大幅上昇となり、6月12日、アリ・ローガニ最高執行責任者(COO)の辞任を受け、続伸はしたものの、以前として年初の株価と比較すると低い状況にあります。
本稿では、年初から下落が続いたツイッター株式について、その下落要因に触れ、今後ツイッターに期待される方向性について検討してみたいと考えます。
株価の軌跡
2013年11月にニューヨーク証券取引市場に上場したツイッターは好発進でした。公募価格、26ドルに対して、初日、45ドルまで上昇。2013年末には74ドルの大台に乗りました。2014年2月6日、株価は24%も急落します。2月5日に発表した決算報告に依るところが大きいというのが市場の見方です。決算報告によると、2013年10月から12月期について、利用者数は2億4100万人と前年同期比、30%以上の伸びであったのに対して、2013年7月から9月期と比較すると、4%弱の伸びに留まり、利用者数の伸びの鈍化から売り注文が殺到したのでは、という見方があります。ツイッターの2013年10月から12月期の純損益は5億1100万ドルの赤字、赤字幅は2012年同期と比較して870万ドルから大幅に膨らみました。広告収入を主とする売上については2倍以上に伸び好調でしたが、研究開発費が前年比10倍に膨らんだことや、上場準備費用がかさんだことが、赤字拡大の背景と言えることができます。
市場の見方
上場当初は好調であったツイッター株は、新興企業株であり、バブル銘柄、モーメンタムストックとして位置づけられていました。こういった企業株は成長雰囲気こそが買い材料となり、利用者数鈍化に対しては、市場にとっては売り材料の何者でもなく、2014年2月6日の24%下落の要因は、各メディア、利用者数は頭打ちによる成長の鈍化であると見方を紹介しています。また、今回の最高執行責任者であり、の製品チームの責任者であった、アリ・ロウガーニ氏の辞任に対して、市場が評価している点からも、ユーザー数獲得を期待する市場の傾向を見て取ることができるのではないでしょうか。
上場から下落、さらに今回の続伸といった一連の流れをみたとき、成長を売りとした、バブル銘柄に期待した個人投資家の動きと、その期待が失望に変わった流れ、さらに新規ユーザー獲得に向けた退任劇(社内の政治力学による可能性もありますが)に対する市場の期待といった、マーケットの反応を見て取ることができるのではないでしょうか。