ツイッターへの期待

今回の下落要因に顕著に現れるように、多くの投資家がツイッターに期待するのは、多くのユーザー獲得としてみることができます。多くのユーザー獲得を求める理由は、ツイッターの売上構造における広告収入に対する期待としてみることができます。現時点でツイッターのユーザー数が最も多いのは米国であり、2013年の広告収入のほぼ4分の3は米国市場との報告もあります。一方で、米eMarketer は、2014年のユーザー数の前年比伸び率を国別で見たとき、インド(56.9%)、インドネシア(61.7%)といった見通しを示しており、今後、成長著しい新興国ユーザーに対して、いかに広告収入を伸ばしていくのかを、マーケットを期待しているのではないでしょうか。

また現在、インターネット広告市場はモバイル市場へと移行する時期となり、スマートフォンやタブレットといったモバイル向けの広告サービスはますます成長する市場とする見方もあります。2014年5月27日付け、ロイターによると、広告大手米オムニコムとツイッター傘下のモビル向け広告仲介会社モーパブが統合する調印をしたと報道されており、市場の期待に応えるように、モバイル市場向けのサービスについても、動きを示しており、マーケットも好印象に受け止めているとのことです。

以上のように、ツイッターの上場から今日までの株価の軌跡を確認し、その要因について考えてみました。バブル銘柄といわれたツイッターも、現在成長の踊り場にあると考えられ、さらなる飛躍を考えたとき、新興市場でのマネタイズ、モバイル市場に向けたサービスの展開が期待されているものと思われます。ユーザー獲得が頭打ちとなっている米国市場ですが、広告収入の大部分を埋める市場でもあります。今後、ユーザー数の増加が見込める新興国に対して、どのようなサービス展開を行うことができるのかが、鍵となってくるのではないでしょうか。今回のアリ・ロウガーニ氏の辞任も含め、ツイッターが岐路に立っていることは間違いないようです。

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