大谷選手の「メジャー挑戦」は株価のサポート要因?

では、大谷選手のメジャーリーグ挑戦は株価を上昇させる材料になるのだろうか?

人気選手の移籍はチームの集客に影響を及ぼす可能性があるし、日本ハム製品の売り上げにも少なからず響くことも考えられる。その一方で、先に述べたようにポスティングシステムを活用すれば「移籍金」を得られる、というメリットもある。

興味深いのは、ダルビッシュ選手の移籍時の2012年1月19日にリリースした日ハムの開示情報だ。「連結子会社における特別利益の発生に関するお知らせ」として、日本ハムファイターズがダルビッシュ選手のポスティングシステムを利用したメジャーリーグ移籍契約に伴い「移籍金額約40億円」を特別益として計上すると発表したのだ。

現在は、過熱するポスティングシステムを抑制するために上限を2000万ドル(約22億円)としているが、それでも今期の日ハムの最終純利益予想(325億円)を7%押し上げる効果がある。また、22億円といえば、日ハムがお歳暮商戦に投入する国産プレミアム熟成ロースハム「美ノ国」44万個分にも相当する。

もちろん、大谷選手のメジャーリーグ挑戦は、一ファンとしての筆者の希望的観測である。しかし、そうした若者の夢を通して株価を見るのも、株式投資の楽しさの一つなのだ。

好業績でアナリストの評価も高まる

11月1日に発表した日本ハムの2016年3月期中間決算は、売り上げが3.4%減の5931億円、本業の利益を示す営業利益は期初予想の210億円から上振れ1.6%増の234億円だった。同時に、通期営業利益予想も490億円から510億円に上方修正した。

注目されるのは営業利益率が向上していることだ。7〜9月の営業利益率は4.7%と前年同期の3.6%から1.2%改善している。主力の食肉事業の採算改善が寄与しており、通期では2期ぶりに過去最高益を更新する見通しだ。

11月7日には、機関投資家向けに決算説明会を開催。同時に2015年5月に発表した中期経営計画の進捗状況も発表した。それによると2018年3月期の目標営業利益は520億円で十分に達成可能な数字だ。むしろ、この数字を凌駕する可能性さえある。好決算と説明会を受けて大手証券のアナリストも評価を切り上げている。

こうした好決算とアナリストによる評価の高まりが、日ハムの株価を押し上げているのだろう。だが、筆者は「夢を追う個人投資家」として大谷選手のポスティングの行方も楽しみに見守りたい。(ZUU online 編集部)