現在、子どものいる方も、将来的に子どもが欲しいと思っている方も、子どもを育てていく上でまず気になるのが教育や学費のことなのではないだろうか。実際に、年々高くなる教育費に備えて、「学資保険」に加入しておこうと考える人も増えている。

教育費が必要だから学資保険に加入しようという考え方でも、もちろん問題はないのだが、学資保険ならではのメリットや考慮すべきデメリット、他の金融商品との違いなどを理解してから学資保険を選択する方が、高い満足が得られることは疑いのないことだと言えるだろう。

本稿では、学資保険のメリットとデメリット、学資保険と同じくローリスクかつ長期の金融商品である個人向け国債との違いについて探っていく。学資保険を最大限有効活用するために、ぜひ参考にしてもらいたい。

目次

  1. 学資保険のメリット
    1. 元本保証型が多い
    2. 保険支払者に万一のことがあっても大丈夫
    3. 課税対象となる可能性が低い
    4. 控除の対象にも
  2. 学資保険のデメリット
    1. インフレによる影響
    2. 解約手数料が高い
  3. 個人向け国債との比較シミュレーション
    1. インフレが不安な方は個人向け国債
    2. 途中で解約する可能性がある方も個人向け国債
    3. 保証を重視する方は学資保険
  4. 学資保険の有効活用術

学資保険のメリット

学資保険は、メリットの多い金融商品である。その中でも特筆すべきものについて紹介する。

元本保証型が多い

学資保険には様々な商品があるが、シンプルに進学するときや満期になったときだけに保険金を受け取るタイプの商品の場合は、支払う保険料の合計額よりも受け取る保険料の合計額が大きいものが多い。

つまり、資金はしっかりと確保したいけれど、投資性が高くリスクが高いものは避けたいと考えている方にも、学資保険は適していると言えるのだ。

保険支払者に万一のことがあっても大丈夫

学資保険は、貯蓄目的ではなく、子どもに必要な学資を確保することが目的の保険である。そのため、保険支払者(子どもの親権者が多い。保険によっては祖父母でも可)が不慮の事故や病気のために保険料を支払えない状況になった場合には、保険料の支払いが免除されるだけでなく、契約時に確認した保証や保険金は受け取ることができる。

例えば、月々1万円の保険料で満期までの年数が20年、小中高大に進学した時には30万円の祝い金が支給され、満期時には150万円の保険金が受け取れる学資保険があったとする。

単純に考えても240万円を支払えば20年後には270万円になるので返戻率112.5%の優れた商品であるが、支払い始めて5ヶ月後に保険支払者が死亡してしまった(支払った保険料の総額は5万円)としても、同じく270万円の保険金を受け取ることができるのだ。

もちろん、保険によっては最低払込期間が決まっている商品もあるが、ほとんどの学資保険において死亡時や特定疾病罹患時は支払い免除と保険金・保証の提供は確約されている。子どもの成長を見届けることができるか不安な人にも、学資保険は適していると言えるだろう。

課税対象となる可能性が低い

通常、給与以外の所得が年間20万円を超えると、所得税と住民税をその所得に対しても支払わなくてはいけない。もちろん、債券や投資信託などの金融商品による利益も同様で、所得税と住民税の合計20.315%を支払わなくてはならないのだ。

だが、学資保険に対しては50万円までの利益に対しては課税が免除される。

例えば、月々1万円の保険料で満期までの年数が20年、小中高大の進学時には30万円の祝い金、満期時には150万円の保険金が受け取れる学資保険に0歳から加入していた場合、小学校の祝い金のときは6年分つまり72万円の支出に対して30万円の収入と言うことになるので、利益はマイナスとなり税金を支払う必要はない。

また、満期時も240万円の支出に対して合計270万円の収入と言うことになり、利益は50万円を超えていないために課税対象とはならない。このように税金に対する心配をしなくて良いのが学資保険と言えるのだ。

控除の対象にも

学資保険は一般生命保険に分類されるため、確定申告を行うときには生命保険料として申告することができる。年間最大6万8000円(所得税4万円、住民税2万8000円)が控除の対象となるのだ。

学資保険のデメリット

メリットが多い学資保険だが、デメリットも少なからず存在する。

インフレによる影響

元本保証型が多いことが学資保険のメリットの1つであるが、積み立て期間が10年以上と長いタイプのものが多いため、貨幣価値が下がった場合には、受け取る額面は大きくても実質の価値が低くなっている可能性がある。

解約手数料が高い

学資保険は、中途で解約すると手数料が高額になることが多い。そのため、元本保証型の商品でも中途解約する元本割れしてしまうケースが少なくない。

個人向け国債との比較シミュレーション

子どもの学資のために、学資保険と個人向け国債のどちらを選ぶことができるだろうか。

インフレが不安な方は個人向け国債

金利だけを比較すると、個人向け国債は学資保険よりも低いことが多い。だが、個人向け国債でも変動金利のものを選べば、インフレ率や基準金利の上昇に合わせて高い金利に変更される可能性があり、思った以上の利息が受け取れることもある。

途中で解約する可能性がある方も個人向け国債

個人向け国債は、発行から1年経過すれば元本割れせずに中途解約することができる。解約する可能性がある方は、解約手数料が高い学資保険は不向きと言えるだろう。

保証を重視する方は学資保険

国債には保証がつかないが、学資保険には医療保険や育英年金などの保証が付くこともある。また、保険支払者が死亡や特定疾病に罹患した後も、学資保険なら保険金を満額で受け取ることができる。

学資保険の有効活用術

利回りだけで考えたとしても、学資保険は魅力的な商品が少なくない。だが、積み立て期間が長いのでインフレの影響を受けてしまうことが短所でもある。

純粋に学費のサポートを定期的あるいは満期時に受け取ることを第一義とし、必要と思われる保証が提供される商品を選ぶなら、満足度の高い学資保険に加入するのが理想的と言える。

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