川崎重工業の航空機エンジン「1000-TEN」「XWB-97」

ジェット機本体に限らず、旅客機にとって最も重要な部品であるエンジンの開発も活発化しています。2013年には「川崎重工業」が旅客機用エンジン「1000-TEN」「XWB-97」の開発に参画することが確定しました。当エンジンはボーイング社の旅客機「787-8/9ドリームライナー」の「トレント1000」をベースとしていますが、新技術を盛り込んで推力を強化している他、今まで慢性的な欠陥を抱えていた燃費を劇的に向上しています。残念ながらMRJ等の国産旅客機に積むのは見送りになりそうですが、ボーイング社の新型旅客機「787-10ドリームライナー」に搭載される方針です。実験飛行は2017年、初飛行は2019年の予定です。

当エンジンは1960年代より使われているエンジンとは設計が大幅に異なります。今までのエンジンは燃料のみで飛ばしていましたが、当エンジンは燃料に加えてプロペラも動力として活用しています。これにより燃費が約3割向上すると言われます。ゼネラル・エレクトリック社も似た様なエンジンを開発していますが、ベースとなる制御機能と変速機能の開発に難航して遅れを生じており、順調に進めば川崎重工業の方が主導権を握れると思います。現在の航空業界は燃費が重くのしかかっている様ですが、今回のエンジンによって約3割低下するため、輸送コストが劇的に低下します。給油なしでフライト可能な距離も伸びるため、今まで連続して6000キロメートルしか飛べなかったもの、連続して8000キロメートル飛べる様になるため、給油の手間が省けて、長距離の国際線の所要時間も短縮するはずです。


宇宙へ向かう日本企業

日本の技術革新は凄まじく、航空産業に限らず、今では宇宙産業が脚光を浴びる様に進化しました。「NEC東芝スペースシステム」は人工衛星を打ち上げる力を持っており、2003年に打ち上げられた宇宙探査機「はやぶさ」が2010年に地球に帰還しました。残念ながら地球に帰還する際に燃え尽きてしまいましたが、宇宙に余計なゴミを漂わせなかった点を高く評価します。その「はやぶさ」のリチウムイオンバッテリーを製造した企業が「京セラ」です。人工衛星に使われる部品に関しては特に厳密に検査しており、まず、目視による検査を行った後、3次元測定機を用いて形状を測定して、その後、専用の検査器具を用いて性能を検査するトリプルチェック体制を敷いています。その他、地球初の他惑星の気象を調べる人工衛星「あかつき」や、太陽光を動力とする長距離人工衛星「イカロス」等が打ち上げられる日も近く、日本の宇宙産業の未来は明るい点を実感します。


蒸気化・電気化・電子化に次ぐ「第四次産業革命」の到来か

18世紀後半の蒸気機関、19世紀後半の電気機器に続き、20世紀後半には電子機器やIT技術が繁栄しました。そのIT技術も今や極に達したと言われており、技術革新の終焉が訪れると言われます。そんな中、今回説明した航空産業や宇宙産業、中でも宇宙産業の幕開けは市場に華を飾るはずです。少し落ち着いたら宇宙産業に乗り出す方が良いでしょう。1960年代のメディアでは20世紀の初めには宇宙旅行が一般化している光景が見られます。それと比べると多少の遅れをとっている様ですが、その時期が確実に近付いています。

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