ウォール街の金融マンも学ぶ、お金持ちになる心理学
「お金持ちになりたい」と願っている人はたくさんいます。しかし、その一方で「お金を稼ぐには、ものすごく働かなくてはならない」「私がお金持ちになれるはずがない」と、「お金持ちになる」ことに対して自分自身の中で、無意識のブレーキをかけている人も多いのではないでしょうか。
「お金持ちになるためには、まずは自分の奥底に眠る『潜在意識』に目を向けることが重要です」
長年、ファイナンシャル・プランナーとして活躍し、現在はマネーに関する情報発信やコンサルティングなどを手掛けている和泉昭子さんは、著書 『お金持ちになる心理学』 の中でこう述べています。
それでは、私たちの意識に潜む「お金」の心理について、あらためて考えてみましょう。
お金は汚い、悪いもの!?
日本では「お金」に関して深く考えたり、話題にしたりすることを、どこかタブーとする風潮があります。お金は私たちの毎日の生活と切っても切れないものにも関わらず、家庭や学校教育による“お金のことばかり言うのはよくない”という考えや、メディアによって“お金持ちは悪い人”といったイメージが根付いているためです。
しかし和泉さんによると、お金持ちになりたければ、まずは「お金」についてしっかりと意識を向け、自分の心の奥底にあるお金に対するネガティブな思い込みや偏見などを、きちんと認識し、改めることが大切だとか。
というのも、人間は、過去の体験、経験による「こうしなくてはいけない」「こうあるべきだ」と潜在的に考えている思い込みである、「ビリーフ」に、知らず知らずのうちに行動を制約されてしまうからです。お金持ちになりたいのであれば、まずはお金に対するイメージをマイナスからプラスに変えることが必要なのです。
お金持ちになることを阻む、3つのビリーフとは?
あなたはお金に対して、どのようなイメージを持っているでしょうか?
「お金はいつでも簡単に手に入る」
「お金は人を幸せにする」
「私には能力がないから、お金を稼げない」
「お金の管理は大変だ」
「お金を多く得ようとすることは、恥ずかしいこと」
色々な答えがあるでしょうが、一般的にいって日本人の多くは、ネガティブなイメージをお金に対して持っているようです。特に、以下の3つのビリーフが、たくさんのお金を手に入れることに対するブレーキとなります。
1. 私は能力(価値)がないので、お金を稼げない(管理できない)
2. お金は悪の根源なので、持ち過ぎないほうがよい
3. お金持ちになると、引き換えに大切なものを失う
(『
お金持ちになる心理学
』68ページより)
ビリーフはさまざまな思考や判断の基準となり、人生を支えてくれる大切なものです。
しかし、持っているビリーフがマイナスのものであれば、一転して自分の人生に制限をかける困った存在となります。潜在意識で信じていることは、意識しているもの以上に力を持つため、その2つが相反する場合、脳は潜在意識に従おうとします。自分では「やれる」と思っていても、潜在意識が“NO”といっていれば、「やらない」方向へと進んでしまうのです。
さらに、脳はビリーフを補強するために、そのエビデンス(証拠)となる情報を集めようとする傾向があります。その過程で、自分のビリーフにあてはまらない情報は自動的に削除してしまうため、時と共に、単なる「思い込み」がその人のなかでの「真実」、さらに「現実」へと変わっていきます。
そのため、自分自身の奥底に眠るネガティブなビリーフのせいで、未来が閉ざされてしまうことも起こりうるのです。