【ご参考】「主役」の銀行株の中で「割安銘柄」は?

「トランプ・ラリー」でもっとも上昇したセクターのひとつに銀行セクターがあります。11/25付の「日本株投資戦略」でもご説明したように、時価総額1千億円以上の銘柄群の中で三菱UFJ <8306> 、りそなHD <8308> 、ほくほくFG <8377> など多くの銀行株が値上がり率上位になっています。

銀行株が上昇した背景には、(1)トランプ政権による金融規制緩和への期待、(2)米長期金利上昇を契機とした世界的な金利上昇への期待等があると考えられます。ただ、これらが日本の銀行に実際にどのようなメリットがあるのか不透明な部分も多く、銀行株の先行きを疑問視している投資家が多いことは確かです。急ピッチに上昇してきた反動で、株価が高値波乱となる可能性には注意が必要だと思います。

ただし、先日のOPEC減産もあり当面は原油価格が高値圏で推移しそうなことや、ドル安・円高もあり、日本経済のデフレ圧力が減少していく可能性があり、そのことが銀行株の追い風になる可能性は大きいとみられます。また、メガバンクなどは海外での収益基盤が拡大傾向であり、海外金利の上昇は直接、利ザヤの拡大に寄与してくる可能性があります。

図1は三菱UFJ <8306> の月足チャートですが、銀行株の背景に仮に「脱デフレ」という大きなテーマがあり、息の長い相場につながってくるのであれば、2015/6の高値を目指し、そこを超えてくるというシナリオを描くことも可能だと思います。同社をはじめ、銀行株は中長期的な観点から注目してもよさそうです。

ご参考までに、表2は(1)時価総額500億円以上の銀行株の中から、(2)PBR1倍未満で、(3)11/9~12/1の株価上昇率が14%(同期間のTOPIX上昇率)未満の銘柄を(2)のPBRが低い順に並べたものとなっています。仮に銀行株の上昇相場が長期化した場合、市場でこうした出遅れ銘柄が注目されてくる可能性も十分あるとみられます。

表2 図1

※本ページでご紹介する個別銘柄及び各情報は、投資の勧誘や個別銘柄の売買を推奨するものではありません。

鈴木英之
SBI証券 投資調査部

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