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生前贈を知る

生前贈与契約書の準備、雛形と書き方とは

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(写真=Thinkstock/Getty Images)

生前贈与は相続税節税を考える上で非常に有用な手段だが、正しい手続きによって確約・証明しなければ、いざ申告の段にいたって贈与としてみなされない可能性がある。これを防ぐには、贈与契約書を作成しなければならない。これから生前贈与を行おうと考えている方も、すでに基礎控除内で生前贈与を行っているという方も、贈与契約書の必要性を再確認していただきたい。

生前贈与契約書とは

贈与は、贈与者と受贈者の合意を持って行われる譲渡契約の一種だが、この契約が確かに「合意を持って行われたこと」を証明するのが贈与契約書である。生前贈与に伴って作成される贈与契約書の主な目的は、相続時に発生し得るトラブルを回避することにある。

相続時に発生し得るトラブルとは、相続税申告の際に、生前贈与したつもりであった財産について贈与契約が認められないケースのことだ。贈与契約があったことが第三者から見ても明らかであると証明できない場合、その財産については相続税の対象となるばかりでなく、相続時の諸問題を引き起こす一因ともなってしまう。

具体的には、例えば他の相続者から「その財産は被相続人より貸借したものだ」と主張された場合、これを反証することができず、生前贈与したつもりであった財産は相続財産として扱われることなる。

このようなトラブルを回避するためにも、生前贈与を行う際には贈与契約書を作成し、贈与契約の正当性を証明する必要があるのだ。

贈与契約書の書き方と雛形

贈与契約書には書式が定められておらず、各贈与契約に沿った形で作成することとなる。主な記入項目としては、次の通りだ。

・贈与者、受贈者の情報(署名、捺印)

・贈与の原因(方法、贈与日)

・贈与財産の情報(価額、所在地等)

より簡潔に示すならば、「誰が誰にいつ何をどのように贈与したのか」が確認できることが大切である。このうち贈与の原因とは、例えば金銭の贈与であるならば、これが銀行振込などによって行われることを記載すれば良い。受贈者が未成年である場合はこれらに加え、親権者の情報なども明記する必要がある。

なお、各金融機関などを始め、贈与契約書には多くの雛形が存在する為、作成に際して不安があればそれらを参考にすると良いだろう。

贈与契約書の作成で必要なもの

贈与契約書を作成するにあたっては、贈与する財産に応じて必要なものが変わってくる。特に土地や不動産を贈与する場合、この贈与に際して作成される贈与契約書は通常の贈与契約書とは若干扱いが異なる。

まず土地や不動産の贈与契約書には、印紙を貼付しなければならない。貼付する印紙は一律200円とされているが、不動産贈与契約書に土地や不動産の評価額を記載した場合はこの限りでない。契約金額の記載のある契約書には、印紙税法において定められている金額に対応した印紙を貼付する必要が生じる。

贈与契約書はあくまでも贈与契約の確約・証明を示すためのものであるため、土地や不動産の評価額に関しては記載する必要はない。特に理由がなければ、土地や不動産の生前贈与に際しては、贈与契約書に金額を記載しないよう気をつけてほしい。

生前贈与契約書を作る際の注意点

贈与契約書を作る上で、そのほかいくつか注意点が存在する。まず贈与契約書は、贈与を行う都度作成しなければいけない。例えば、贈与税の基礎控除を活用し毎年110万円を10年間に渡って贈与するような場合、これを1通の贈与契約書によって証明することはできない。厳密には、計10回の贈与は総額1100万円の「定期金給付契約」とみなされ、契約を締結した段階において総額分の贈与税が課せられてしまうのだ。定期金給付契約は一般に連年贈与とも呼ばれ、生前贈与が認められないケースのひとつとしてよく見受けられる。

また同様に、同一のタイミングで10通(必要枚数)の贈与契約書を作成することも認められない。贈与契約書には法的な効力を証明するために公証役場より確定日付を押してもらう必要があり、この確定日付が実質的な贈与日とみなされることとなる。公証役場において将来の日付を確定させることは不可能であるため、やはり贈与契約書は毎年、贈与の都度作成するほかないのである。

過去に遡って生前贈与契約書を作成する場合

将来的な日付を確定させることは不可能としたが、逆に過去に遡って行われた生前贈与の贈与契約書を作成することは不可能なのだろうか。結論から言って、これは可能である。

贈与契約に限らず、契約の効力を過去に遡って発生させたいケースというのは往々に存在する。例えば、口頭などで契約を締結した後、なんらかの必要性が生じ後日契約書を用意することとなった場合などがこれにあたる。

この場合、方法として大きく2つの対策が考えられる。まずひとつは、契約書面上での条項として、過去へ遡った日付より適用がなされることを明言する方法。もうひとつは、契約締結日そのものを過去へ遡った日付にしてしまう方法だ。後者はバックデイトと呼ぶのだが、あらぬ疑いを生じさせるおそれもあり、前者に比べリスクが高くなる可能性がある。いずれにせよ知識のない者が安易に取るべき手法ではない。

過去に遡って贈与契約書を作成したい場合を含め、専門性が高いと思われる内容の契約書を作成する際には、いざ必要となったときに確かな効力を発揮させるためにも、専門家の手を借りることが賢明だろう。

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