(写真=Thinkstock/Getty Images)
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相続税節税のために生前贈与などを検討する際、かかる費用を計算する上で固定資産税評価額を算出しなければならない場面がある。具体的には、不動産取得税や登録免許税などを正確に見極めるためだ。

そこで今回は、固定資産税とはそもそも何なのかということと合わせて、この評価額の計算方法を解説する。


固定資産税とは?

固定資産税は、固定資産(土地・家屋・償却資産)に対し、固定資産の所在する市町村において賦課される地方税である。賦課課税制度とは、自己申告による所得税などとは違い、税金を課する者(この場合は地方自治体)が税額を計算し納税通知書を送付する制度である。なお、東京23区においては区でなく都がこれを賦課している。

固定資産税の納税時期は年4期に分けられ、原則として4月・7月・12月・2月と定めている市町村が多いものの、各々の事情によってはこの限りでない。例えば4月・7月・9月・12月としている市町村もあれば、6月・9月・12月・2月としている場合もあるなど様々だ。

固定資産税の税率には1.4%という標準税率が設けられており、納税時期が多様である一方で税率についてはこれを採用している市町村がほとんどである。かつては制限税率(上限)が定められていたが、地方分権・地域主権改革の一環として平成16年に廃止された。

固定資産税の課税が決定するのはいつ?

固定資産税が課税されるのは、その年の1月1日である。年の中途で売買や譲渡等により所有者に変更があったとしても、固定資産税の納税義務が課せられるのは1月1日時点で固定資産課税台帳に登録されている者だ。

固定資産課税台帳とは、土地課税台帳・土地補充課税台帳・家屋課税台帳・家屋補充課税台帳・償却資産課税台帳という5つの台帳の総称であり、登記簿への登記の有無に関わらず、各市町村はこれに記載された者へ固定資産税を賦課することができる。

ただし、質権又は100年より長い存続期間の定めのある地上権(工作物や竹木を所有する為などの目的で他人の土地を使用する権利)目的である土地については、その質権者又は地上権者が納税義務者となることが定められている。

また各市町村は、災害等により固定資産の所有者の所在が不明である場合などは、その固定資産の使用者を所有者とみなして固定資産課税台帳に登録し、固定資産税を賦課することができる。

固定資産税評価額とは?

固定資産税評価額は、固定資産の客観的な価格(時価)を示したもので、総務省(総務大臣)の定める固定資産評価基準によって決定し、固定資産課税台帳へ登録がなされる。この評価額は一般に、土地については公示価格(公示地価)のおよそ7割、家屋については建築費のおよそ4割から7割程度を目途としている。

公示価格とは国土交通省が標準地(全国に定めた地点)を対象に、毎年1月1日時点における価格を示すもので、実勢価格(実際に取引される価格)の目安ともなる重要な指標のひとつだ。しかしながら、この価格はあくまでも目安であって最高値や最安値を示すものではない。

固定資産税評価額の計算の仕方

固定資産税評価額は、前述の通り固定資産評価基準によって決定され、固定資産税の所有者等はこれを固定資産課税台帳の閲覧(縦覧)により確認することができる。固定資産課税台帳を縦覧できる期間は市町村によって異なるが、自身の所有する固定資産の所在地においてこれが閲覧できるのであれば、それが最も確実な方法と言えるだろう。

もしもこれらを自身で計算する場合は、土地と家屋によってそれぞれ方法が異なる。

まず土地の評価額を求める場合、その土地の公示価格(公示地価)を調べ、これに70%を乗じれば良い。土地が市街地である場合は、路線価(固定資産税路線価)がほぼこれに等しい。

家屋の評価額を求める場合は、評価対象の家屋を新たに建築した際にかかる費用(再建築費あるいは再建築費評点)を求め、ここから経過年数や損耗の状況によって減価(経年減点補正率)を行わなければならない。具体的な算式は次の通りである。

単位当たり再建築評点 × 再構築費評点補正率 × 経年減点補正率 × 床面積 × 評点一点当たりの価額

なお公示価格は国土交通省ホームページ、路線価は各市町村ホームページなどにおいて確認することができるため、これを参考にすると良い。

固定資産税評価額の役割

固定資産税評価額は固定資産税を評価する上で基準となるほか、不動産取得税や登録免許税を求める上でも利用される重要な価額である。もしも自身の計算により求めた評価額と課税台帳に登録された価額とに不服がある場合は、これを各市町村に申し立てることも可能だ。

しかしながら固定資産税評価額の計算は複雑であるため、まずは固定資産課税台帳を縦覧できる期間に各自治体へ出向くことなどから始めてみてはいかがだろうか。