今回はロボットスーツ「HAL」を手掛ける筑波大学発ベンチャーのCYBERDINEを紹介して行きます。
CYBERDYNEの企業概要
CYBERDYNEは医療・生活支援用のロボットの開発を行う筑波大学発のベンチャーです。事業内容はロボットスーツHAL関連事業のみの単一セグメントとなっています。ビジネスモデルとしては開発したロボットスーツを医療・介護施設にレンタル販売、リース契約し、収益を上げる仕組みとなっております。当社は、2004年に茨城県つくば市において、医療・福祉・介護分野向けロボットスーツの開発・製造・販売を目的に設立されました。そして、現在の事業の要であるロボットスーツHALの初期モデルは2009年に開発されました。このロボットスーツHALというのはただの動作補助ロボットではありません。人間の身体運動のメカニズムに沿った補助ロボットになっています。
具体的には、人間は動作をする際、脳が信号を発信し、それに応じて筋肉が反応し、動作が発生します。脳から神経を通じて筋肉へ送られた信号は、非常に微弱な信号“生体電位信号”として、皮膚表面から漏れ出してきます。このロボットスーツHALは独自に開発したセンサーを皮膚に貼り付けるだけで、その“生体電位信号”を読み取ることができます。その他、さまざまな情報を組み合わせて、装着者がどのような動作をしたいと考えているのかを、HALは認識しているのです。この認識を元にロボットスーツHALは動作補助を行います。
さらに、驚くべき性能は学習機能です。人の身体を動かすメカニズムは、筋肉を動かすだけにとどまりません。脳は実際に体が、どういう信号でどのように動作したか、確認を行います。ロボットスーツHALを用いて“歩く”という動作を適切にアシストしたとき、“歩けた!”という感覚のフィードバックが脳へ送られます。これにより脳は“歩く”ために必要な信号の出し方を少しずつ学習することができるのです。これこそが、例えば足の不自由な方がロボットスーツHALなしでも歩くことができるための、「大事な一歩」につながっていくのです。
CYBERDYNE社はこのロボットスーツを主力製品として事業を行っています。今年の3月26日、東証マザーズに上場を果たし、その後変動はあるものの、最近は株価が急騰しています。