相続,相続 相談
(写真=Thinkstock/Getty Images)

相続、と一言でいっても、その内容は人によって全く違う。相続財産の評価方法や、相続人の数に応じた分割方法などさまざまだ。また遺産分割協議がまとまったとしても、その後に納めなければならない相続税について悩んでいる方もいるだろう。

今回はそんな相続の悩みについて、どのような専門家を頼るべきか、それぞれのメリットやデメリットについて比較して解説する。


相続の主な相談先

相続について相談をするべき専門家には、司法書士・税理士・弁護士・信託銀行、保険会社など多岐に渡る。

これらのうち、一概にどれを選ぶべきかを述べることは難しい。以下、それぞれのメリットやデメリットを解説するので、自身が相談したい内容と照らし合わせて選択してほしい。

相続を網羅する司法書士のメリットとデメリット

司法書士は、登記や供託の代理、裁判所や法務局へ提出する書類の作成などを行ってくれる専門家だ。その他の専門家と比べて特筆すべき点としては、登記を専門的に扱うため、相続財産の中に不動産(住宅や土地)が含まれている場合などには、真っ先に司法書士へ相談することを検討するべきと言えるだろう。

また、顧客の依頼によって財産の管理や処分を行うこともできるため、預金の相続手続きや証券会社の相続手続きなど、相続にまつわる大部分の業務を相談することが可能だ。そのほか相続放棄や遺言書の検認、相続財産管理人選任の申し立てなど、法務局や裁判所へ提出する申請書・申立書の作成も依頼することができる。

一般的に相続に関する相談というと税理士や弁護士へ依頼するイメージが強いかもしれないが、司法書士は相続税や遺産分割協議の代理などを除き、相続手続きを網羅的に取り扱う専門家なのだ。

税のプロ税理士のメリットとデメリット

税理士は、日本国内で唯一、税に関する業務(税務)を代行することができる専門家である。税理士以外の者が税務手続きを代行した場合、これは税理士法違反や独占業務法違反に当たることになる。すなわち相続においては、遺産の分割が済んだ後、相続した財産に対して課せられた相続税について相談があるという場合は、税理士へ依頼するほかない。

しかし実際の相続においては、相続財産が基礎控除内(3000万円 + 法定相続人の数 × 600万円)で収まることが多く、相続税が発生するケースはかなり少ない。そのため相続税を専門的に扱える税理士はそう多くないというのが実情だ。税理士へ相続税の相談をする際には、その税理士に相続手続きの経験があるかどうかを事前に確認するべきだろう。

また、最終的に相続税が課せられることが見込まれるからといって、それ以前の業務(登記や遺産分割)が済んでいない段階で税理士へ相談しても、それらの業務は税理士の専門外であるためいたずらに時間がかかってしまう可能性があるという点にも注意してほしい。

相続争いになったら……弁護士のメリットとデメリット

弁護士は、法律に関する業務全般を取り扱う専門家である。その業務内容は非常に幅広く、特に遺産分割に際して協議がはかどらない場合などに頼りになるだろう。具体的には、遺産分割協議において合意が得られず調停へとその場を移した際や、相続人同士ではそもそも協議がまともに進まないほど事態が悪化している状況などにおいて、代理人としてこれを取り計らってくれる。

よって本格的な遺産争いにおいては、司法書士ではなく弁護士へ相談する必要があると言えるだろう。

ただし、弁護士の業務は元々範囲が広いものであり、相続争いや相続手続き全般に特化した弁護士でなければ、たとえ同じ専門家であっても思うように協議などが進まない可能性がある。また弁護士は(その他の専門家では取り扱えないような)難しい案件に取り組める専門家であるため、比較的報酬も高額に設定されている場合が多い。

相続に関する相談を弁護士へ依頼する場合には、相続争いに対応しているのか否か、具体的な報酬はどれほどになるのかなどに注意すると良いだろう。

信託銀行・保険会社のメリットとデメリット

先に並べたものとはやや趣が異なるが、銀行などの一部金融機関や保険会社では、関わる資産について相続手続きを請け負うサービスを実施している。

これを利用するメリットは、ひとえに手続きそのものの簡略化だ。その会社で引き続き資産運用などを考えている場合においては、名義変更や登記などといった各種手続きを代行してくれるため非常に手間が省けるだろう。

一方でデメリットは、報酬が他の専門家と比較して高額であるということ。また、相続手続きの代行を依頼したいのではなく、アドバイスを求めたい場合なども、あまりふさわしくないと言えるだろう。

無料相続相談という選択肢

まずは気軽に相談だけしたいという場合は、地域の法律事務所や相続相談センターなどが開催している無料相談会などへの参加を検討すると良い。あるいは、事前に連絡し出向くことで(相談時間は限定されるものの)、一定の範囲内であれば無料で相談に対応するというサービスを実施している事務所もある。

実際に専門家へ依頼する前に、無料相談によってどのような専門家へ依頼すべきか見極めるのも良いだろう。