2017年に向けて投資妙味がありそうな銘柄は

このように景気拡大が期待される米国だが、投資妙味のありそうな銘柄はどのような銘柄だろうか。以下の表はS&P業種別指数について大統領選前の11月8日と12月29日を比較した騰落率を示したものだ。金利上昇や規制緩和への期待から金融が最も上昇している。一方で生活必需品や公益事業、ヘルスケア、情報技術などは出遅れていると言って良いだろう。

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この中で特に注目したいのが「情報技術」つまりハイテクセクターだ。下記のチャートはダウ平均のほか、アップル、アルファベット、マイクロソフト、アマゾン・ドット・コム、フェイスブックのハイテクセクターにおける時価総額上位5社の株価を大統領選直前の11月8日を100として示している。

ダウ平均が8%ほど上昇している中で、アルファベット・アマゾン・フェイスブックの3社は大統領選前より株価が下落している。アップルとマイクロソフトの2社は大統領選前から株価は上昇しているものの、ダウ平均をアンダーパフォームしている。

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ハイテクセクターの株価低迷の要因としてあげられるのが、金利上昇だろう。金利が上昇する局面では相対的に株式の価値が低下し、株価は下落圧力を受けやすい。その際に真っ先にそうした圧力を受けやすいのが元々バリュエーションが高い銘柄だ。アルファベット、アマゾン、フェイスブックの3社は元々成長期待が高いため特にPERが高い。米国の長期金利が大幅に上昇する中で、バリュエーションの高さが嫌煙されて足元は売り圧力が強かったということだろう。

ただ、これらの銘柄の成長にそう簡単に陰りが出てくるとも思えない。金利上昇が一服し、改めてビジネスの成長性に目が向けば、株価の出遅れが注目されて改めて買いが入ってくる可能性がある。短期的にも中長期的にもこのハイテク各社の動向には注目していきたい。

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マネックス証券 フィナンシャル・インテリジェンス部

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