ドナルド・トランプ,米大統領選挙,銀行,原油
(写真=Thinkstock/Getty Images)

英国のEU離脱、米大統領選挙……昨年は「専門家の予想」がことごとく外れた1年だった。「専門家の予想なんてアテにならない」多くの投資家がそう感じたことだろう。それでも多くのメディアは2017年の展望を特集している。それならばと、銀行員である私も「2017年の株式市場」を予想してみることにしよう。

「春先まで」は堅調に推移する?

結論を先に述べるなら、日本株は「春先まで」は堅調に推移しそうだ。2016年のマーケットの流れを完全に変えたのが「トランプノミクス」であることを考えれば、当然ながらその流れが継続する。大統領就任後しばらくは政策の実効性を見極める時間が必要であり、数カ月間はいわゆる「ハネムーン期間」となる可能性が高い。

したがって、少なくともハネムーン期間の「春先まで」は株式相場は上値を試す展開となるだろう。米国のダウ工業株30種平均は2万1000ドルを目指し、それに呼応するように日経平均株価も2万円を突破しても不思議ではない。少なくとも「春先まで」は、イケイケドンドンの雰囲気がそのまま引き継がれるのではないか。

懸念されるのは、欧州主要国で選挙を控えている点である。既存の体制の打破を訴える勢力の存在感が増してくると、メディアがこぞって「ポピュリズムの台頭!」などと大騒ぎする可能性がある。加えて米国の金利上昇が継続すれば新興国からの資金流出が加速し「新興国危機」が再燃することにもなりかねない。

もっとも、日本株においては相場の下落時に日銀のETF買いが大きな下支えとなる。少なくとも「春先まで」は調整的な下げはあったとしても、トレンドを大きく変えることにはならないだろう。

「薄氷を踏むがごとし」の株式市場

さて、本題はここからである。先に述べた通り、私自身は「春先まで」は堅調に推移すると考えているが、問題は「その後」の展開である。

昨年末からの上昇相場は、多くの投資家やメディアが「潜在リスク」を無視して、好材料にだけ飛びついた嫌いがある。

トランプ次期大統領の保護主義的な考え方を踏まえれば、米国がドル全面高を今後も容認し続けると決めつけるのは、あまりにも危険だ。米国の財政出動の詳細は現段階では分からないことに加え、先に述べた「ハネムーン期間」を加味すると、すぐにトレンドが転換することはなさそうであるが、だからと言って期待先行で上昇した相場に対する警戒を払拭することはできない。

そもそも、トランプ次期大統領が掲げる保護主義的な政策は貿易の縮小をもたらす。そのような状況で、世界経済が拡大・発展し続けるとは考えにくい。まして、現在の経済システムでは米国だけが「一人勝ち」するようなシナリオなど描きようがない。

私の考える最大の「潜在リスク」とは、世界経済の根幹をなしている自由貿易そのものを否定し、揺るがしかねないリスクである。昨年末から続くトランプラリーとは、そうした「潜在リスク」を無視して、良いとこ取りをした結果であり「薄氷を踏むがごとし」の環境にあるように思えてならないのだ。