三十歳同士を繋げる
「三十歳は、女性としては『もう三十歳』、男性としては『いよいよ大人としてしっかりしないとな』と思う年齢だと思います。自分の人生をもう一つステップアップさせたいと思いながらも、どこか諦めを感じ始める年頃だと周囲を見ていて思います。
仕事である程度のポジションに就いているけれども、『じぶんはこの程度までか』と疑問に思う気持ちもある。そんな、微妙な年齢ですよね」
「だから、まだまだ三十歳はやれるんだ!ということを再認識できるイベントにしたいんです」と話すはるか代表。では、具体的にどのような内容のイベントにしたいのだろうか。
「私たちが三十路祭りを行うことで、対等に対話できる新たな仲間ができる機会を提供できます。例えば、新たなビジネスに繋がるような出会いがあったり、故郷が一緒と分かったら東京での同郷人会を作るきっかけにもなったり。
フリーターをしている三十歳が、同じ年で経営をしている人と触れ合って、自分も起業しよう!なんて思ったりするかもしれませんね。転職や保険の相談・資産運用に関するブースも設ける予定です。
他にも、ご夫婦でどちらかが三十歳なら家族揃って参加可能にしています。三十歳の新米パパ・新米ママ同士が繋がれば、精神面でもより良い子育て環境を作れるのではないでしょうか。特に首都圏では子育て世代の平均年齢は高いですしね。
また、家族連れで来ている様子を見て、自分も家族が欲しい!と思い立って、恋愛・結婚のブースを覗きに行ったり、というのも面白いかもしれません。自分を見つめ直す場であると同時に、そんな屈託の無い出会いの場にもしたいと思っています」
当日の賑やかな様相が目に浮かぶようだが、ビジネスの面ではどのような構想を持っているのだろうか。
「現在、3000人ほどを集客する想定でいます。会場は東京ビッグサイト。同じ年齢の人が3000人も集まることはとてもレアなケースだと思っているので、それに興味を持ってくれる企業をスポンサーとして募集しています。
転職エージェント、ヘッドハンティングの場としても使っていただきたいし、三十歳に見てもらいたい商品のプロモーションの場にもなる。協賛していただける企業はまだ募集しています」(はるか代表)
当日の会場では某有名お笑い芸人を招いてMCをしてもらい、鏡割り、アーティストライブなど様々な企画も用意しているそうだ。
「共通の趣味、出身が同じなのに出会ったことの無い人たちが、フラットに出会える場を作りたい」という思いが、徐々に形になりつつある。
見えなかったモノに気づくチャンス
メジャーリーガーのダルビッシュ有や、サッカー選手の長友佑都や本田圭佑、芸能人では沢尻エリカや上野樹里、北川景子、石原さとみなど錚々たる人々が、今年三十歳を迎える。
そんな彼らと同級生である彼らが、このイベントをやろうとしたきっかけは何なのだろうか。
「三十代に希望を持ちたい、という気持ちがまずあります。私たちの世代は、好景気の時代を知りません。学生の頃からずっと不況だと聞かされ続けていて、社会に出てみても、周りに行き詰まり感がつきまとっている。自分の同年代も、これが限界、と思っている人も多い。
けれど皆、心の中ではこれで頭打ちになりたくないって思っているんです。その意思を行動に移すきっかけづくりがしたいです。皆で背中を押し合いたい」
1月第3週目の日曜日は「三十路の日」
実はこの「1月第3週目の日曜日」は昨年、日本記念日協会から「三十路の日」として認定を受けた。今年三十路まつりは1月が第一回で、来年は第二回の開催となる。
「今後は本家の成人式と同じように、全国で恒例行事として続いていくものにしたいですね。 毎年この日に開催してもらえるように。
けれど、今行われている二十歳の成人式とは違い、三十路祭りは、今まで生きてきて気づかなかったモノ、今までの価値観をひっくり返すような発見に出会えるような、そんなイベントにしたいと思います。
行ったら人生を変えるような何かに出会える、だから三十歳になったら必ず参加する! 親御さんに『今年三十歳になるんだから三十路祭りに行きなさい』と言われるようなイベントにしたいですね」
……彼らが生まれた1986 年は「写ルンです」や「ドラゴンクエスト」が発売され、上野動物園ではパンダのトントンが生まれ、落合博満とバースが三冠王を獲った年だ。
そんな年に生まれた世代が今、社会の第一線で、周囲の期待や不安な世相に押しつぶされそうになりながらもさらに成長しようと戦っている。
足掻き、苦しみながらも、より良い未来を築くビジョンを確かに描いて彼らはもう一歩、前に踏み出そうとしている。
三十路祭りでは現在クラウドファンディングで資金集めを行っている。ぜひ、下記ページをご覧いただきたい。
https://readyfor.jp/projects/misoji
「三十路祭り」公式ホームページ
http://www.misoji-matsuri.com/
◆取材:加藤俊/文:菰田将司 2016年11-12月合併号の記事より(提供: Biglife21 )
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