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(写真=kanchana_koyjai/Shutterstock.com)

老後は、継続した労働収入がなくなる。日々生活していくのにお金は必要であるが、公的年金だけでは豊かな生活はできないといわれている。老後の豊かな暮らしのためには、一定額の貯金がおのずと必要となる。しかし、定期預金の利率はとても低く、ほとんど利子はつかない状態である。そこで、老後に備えた資産運用を考える必要がある。

老後のための資産運用の始め方

老後のために資産運用を始めようと思ったときに、何をすべきだろうか。まずは、老後の生活のためにいくら必要か把握することだ。よく「3,000万円が必要だ」といわれるが、これはあくまで目安の金額に過ぎない。単身者と夫婦世帯の場合とでは、生活費が異なる。また、持ち家を保有していても、数十年に一度はリフォームが必要となり、その分の費用も必要だ。公的年金も、国民年金に比べて厚生年金ならば多めに支給される。このような個々人の事情を勘案すると、必要となる金額も異なってくる。

資産運用するうえで意識すべきこと

老後のために資産運用するうえで、意識すべきことは何だろうか。

・「老後の資産のため」という認識を持つ
あくまで老後の生活のために備える、ということを意識すべきだ。そのため、利益がでた場合でも、利益分を含めて再投資することをおすすめしたい。

・投資はリスクを考える
老後のための資金なので、ハイリターン・ハイリスクの金融商品を購入して大きな損失を出してしまい、老後の生活の糧がなくなってしまった、なんてことがないようにしたい。

・若年層はライフイベントに合わせた資産形成を
若年層は、これから結婚や出産・育児など、出費が多くかかることになる。投資に回せる金額が多い時期や、逆に少ししか投資に回せない時期もあるだろう。それぞれのライフイベントに合わせて、適切な金額を老後のための資産運用に回すことが大切だ。

年代別資産運用の考え方

一般的に、老後のための資産運用は、年代によって異なってくる。以下、年代別にみていきたい。

・20代など若年層
比較的自由に使用できる資産が多い時期である。この時期に確定拠出年金を始める、勤務先の財形(勤労者財産形成貯蓄)を利用するなど、積極的に貯金をしておこう。特に個人型確定拠出年金(iDeCo)は、節税面からも運用面からもメリットが大きいので、できるだけ若いうちから加入することをおすすめする。

・30代から40代
結婚、出産、育児など、まとまった資金が必要になる年代である。家を購入するなども視野に入れる年代でもあり、なかなか資産が形成できない場合も多い。支出の見直しなどで、少額でも貯金する習慣を付けておくと、将来に役立つだろう。引き続き、iDeCoなど税制優遇のある制度はフル活用したい。

・50代
子供の教育資金に係る支出が減り、余裕が出てくる年代である。一般的に、一番貯金が貯まりやすい年代といわれている。趣味や消費とのバランスに鑑みながら、余剰資金は出来る限り運用に回したい。

・60代から
退職金などで手元にある資産がぐっと増える。しかし、一度に多額の金融商品を購入したりはせず、勉強をしながら少しずつ投資をはじめたい。公的年金の受給開始年齢までは収入がなくなるため、資産が目減りしていく危険もあるが、近年は再雇用や雇用延長などで60歳以降も働き続ける人も多い。

資産運用の失敗例

・詐欺などの被害に遭う
定年退職直後は大金を手にする反面、詐欺などの被害に遭いやすい。絶対に儲かる話は存在しないと肝に銘じよう。

・投資で失敗する
資産が増やせるという宣伝文句に乗ってしまい、いつの間にかハイリスクな金融商品に投資し、多額の損失をだしてしまう。詐欺ではないが、リターンに見合っていない高額の手数料を払わされたり、高値を掴まされたりする場合もある。

・若い頃の金銭感覚が直らない
若い頃は比較的自由に多額のお金を使用できるが、貯金をする習慣がないままだと、貯金が必要なときにできなくなってしまう。

資産運用の開始は早ければ早いほど好ましい

老後の資産運用は、あくまでも老後の生活を豊かなものにするためである。老後の資産運用のためといって、日々の生活が苦しくなれば本末転倒だ。そのためには、無理の少ない運用をしていくことが大切である。

また、老後の資産運用を行うなら、早ければ早い方が好ましい。長期スパンであれば、時間分散が効かせられるし、一時的に運用に失敗してもリカバリーができるからだ。iDeCoなど、自動的に積み立てて運用していく仕組みを利用して、無理のない範囲で老後のための資産運用を行ってほしい。(提供: 確定拠出年金スタートクラブ

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