自分が投資の世界に足を踏み入れてみたら、今度は親として、子どもにどんなふうにお金の教養を授けていったらいいかを考えます。当たり前のことですが、人と同じ発想をしていては、お金を儲けることはできません。そこでもっとも必要なもの……何かわかりますか? それは、クリエイティブな発想です。
世の中をよく知ったうえで、一歩も二歩も先を読み、今後、どんなモノやサービスが伸びるか、なかでもひときわ的確に世の中のニーズをとらえた事業、他に類をみない事業を展開しているのは、どの企業か。これが投資におけるクリエイティブな発想です。
投資は自分がクリエイティブであってこそ成功する
投資とは、いわば他者の発想にお金を出すということですが、自分もクリエイティブであってこそ、他者のクリエイティビティを見極めることができます。
では、どうしたらそんなクリエイティブな発想を育てることができるのでしょうか。意外と思われるかもしれませんが、「歴史」と「地理」の教育がもっとも効果的です。といっても、学校の歴史の授業とは別物と思ってください。学校で教わるのは、単なる年号と出来事の羅列です。
しかも、古代からじっくり教えるせいで、肝心な近現代史に近づくほど授業が薄くなってしまう。だから、極端にいえば「原始人の姿」は知っているのに「今のアメリカの大統領」を知らないというような子どもが量産されてしまうのです。
学校は、現代史から因果関係を遡る形で歴史を教えるべきだと、つねづね私は思っています。誤解を恐れずにいえば、現代からたどって、明治維新、幕末から江戸時代、戦国時代、室町時代まで詳しく教えれば十分だと思います。はっきりいって、竪穴式住居や縄文土器の知識など、その分野の研究者を志すのでもなければ、興味のない人に教えても何の役にも立ちません。
近現代史にしても、年号と出来事の羅列を頭に入れたところで、今の世の中に投影させる視点がなければ、単なる知識。やはり人生の役には立ちません。ならば、どうするか。親が教えてあげなくては、子どもは学ぶことができません。