 
  株主優待を実施していない企業が初めて優待制度を開始することを優待の導入または新設という。株主優待は、配当とは異なり金額が大きいことが多く、場合によっては投資対効果を示す利回りが一気にアップすることも多い。また優待が新設されたばかりだと、まだその事実に気づいていない投資家も多いため、後から遅れて投資家の買いが入ってくることも予想される。
そこで本記事では、直近1年で優待利回りが一気にアップした魅力のある企業を9社をご紹介していこう。
  ※下記項目ごとの利回りは、2017年2月3日の株価終値により最低単元でもらえる優待を基準に算出。実質利回りとは、優待と配当を合わせた利回りのこと。
  
株主優待(1)ブロードリーフ <3673>
【権利確定月】12月末
  【優待内容】
  
  100株保有 クオカード3000円 株主優待券1000円
  
  500株保有 クオカード6000円 株主優待券2000円
  
  1000株保有 クオカード9000円 株主優待券3000円
【実質利回り】8.99%
【必要投資金額】6万8100円
  【コメント】
  
  株式2分割され、必要投資金額が下がった。利回りも高く、注目度の高い優待株といえそうだ。(筆者権利確定済み)
  
株主優待(2)ゴルフドゥ <3032>
【権利確定月】3月末・9月末
  【優待内容】
  
  100株以上で優待割引券(20%)1枚
  
  500株以上で優待割引券(20%)3枚
  
  1000株以上で優待割引券(20%)5枚
また100株以上で5486円相当の化粧品
【実質利回り】20%(化粧品金額でのみ計算)
【必要投資金額】5万3400円
  【コメント】
  
  2017年に化粧品が優待として追加導入された。導入時株価は300円台であったので、その後、数日続けて株価は大幅に上昇。いまだ株価は高値圏で推移している。市場はセントレックス(名証)である点に注意。
  
株主優待(3)アクトコール <6064>
【権利確定月】11月末
  【優待内容】
  
  100株以上でカフェ利用券2000円相当またはクオカード1000円相当
  
  200株以上でカフェ利用券8000円相当またはクオカード4000円相当
  【実質利回り】2.9%
  
  【必要投資金額】8万5500円
  【コメント】
  
  持ち株を100株から200株にするだけで利回りがなんと4倍近くになる。昨年新設された後、2017年に優待を大幅に拡充した。
  
株主優待(4)ヒロセ通商 <7185>
【権利確定月】9月末
  【優待内容】
  
  100株以上で10000円相当のキャンペーン商品
  
  1000株以上で30000円相当のキャンペーン商品
【実質利回り】6.3%
【必要投資金額】18万2100円
  【コメント】
  
  キャンペーン商品はその時により異なるが、昨年はカレーパスタなどのソースやマグカップなど。筆者も実際に受け取ったが、かなりの量である。
  
株主優待(5)まんだらけ <2652>
【権利確定月】3月末・9月末(割引券は9月のみ)
  【優待内容】
  
  年4回の雑誌と保有株数、年数に応じた割引券の配布
  100株保有で2000円 1年以上保有で5000円
  
  500株保有で4000円 1年以上保有で10000円
  
  1000株保有で7000円 1年以上保有で20000円
  
  5000株保有で10000円 1年以上保有で50000円
【実質利回り】3.9%(雑誌分含めず)
【必要投資金額】5万3800円
  【コメント】
  
  昨年割引券が優待として追加導入された。1年以上の保有で利回りが一気に倍以上になる。インドア系の趣味のお持ちの方はぜひ。
  
株主優待(6)ダイトウボウ <3202>
【権利確定月】3月末
  【優待内容】
  
  1000株保有で2000円相当のクオカード
  
  2000株保有で4000円相当のクオカード
  
  (6カ月以上保有した株主に進呈)
【実質利回り】2.8%
【必要投資金額】7万1000円
  【コメント】
  
  昨年2016年はカタログギフトの記念優待を実施。今年からはクオカードのみ。
  
株主優待(7)RSテクノロジーズ <3445>
【権利確定月】12月末
  【優待内容】
  
  6000円相当のクオカード
  【実質利回り】1.3%
  
  【必要投資金額】44万2500円
  【コメント】
  
  優待新設後、株価は上昇基調。そのため利回りも多少下がってしまったが、6000円相当のクオカードは魅力的だ。
  
株主優待(8)システムリサーチ <3771>
【権利確定月】9月末
  【優待内容】
  
  2000円相当のクオカード
【実質利回り】2.4%
【必要投資金額】20万6100円
  【コメント】
  
  優待新設と増配、株式の2分割により昨年初春より株価が上昇傾向にある。
  
株主優待(9)ジャパンミート <3539>
【権利確定月】7月末
  【優待内容】
  
  100株以上で2000円相当の精肉商品
  
  500株以上で3000円相当の精肉商品
  
  1000株以上で5000円相当の精肉商品
  
  10000株以上で10000円相当の精肉商品
【実質利回り】2.2%
【必要投資金額】17万9300円
  【コメント】
  
  精肉関連商品ということもあり、かなりのボリュームの肉が投資家の手元へと届いたようだ。複数単元保有する際には、冷凍庫に入りきるかどうかも考慮すべし。
優待新設をしたばかりの企業は、投資家に長期で株を保有してほしいという意図のもとで優待新設を行っている。企業業績が順調で、魅力のある優待を新設した企業の株価は、その後時間をかけて上昇していくことが多い。今回紹介した企業も今後様々なメディアで紹介されることで多くの投資家からの買いを集める可能性もある。優待投資をする際には参考にしていただけると幸いである。
  
    【株主優待シリーズはこちら】
  
  
  
    (1)株主優待はいつ買えばいいの?
  
  
  
    (2)「質の高い」優待情報を集める5つの方法
  
  
  
    (3)株主優待選びに必須の3基準
  
  
  
    (4)「株主優待の新設」で魅力が劇的にアップした企業9社
  
  
  
    (5)株主優待の失敗あるある事例4選
  
  
  
    (6)成果をあげる重要な要素とは?
  
  
  
    (7)高配当で人気「関門海」を徹底分析
  
  
  
    (8)オリックスの株主優待の魅力とは? おすすめの人や企業を徹底分析!
  
  
  
    (9)お洒落なレストラン展開の「バルニバービ」 株主優待の魅力は?
  
  
    谷山歩(たにやま あゆみ)
  
  
  早稲田大学を卒業後、証券会社において証券ディーリング業務を経験。ヤフーファイナンスの「投資の達人」においてコラムニストとしても活動。2015年には年間で「ベストパフォーマー賞」「勝率賞」において同時受賞。個人ブログ「
  
    インカムライフ.com
  
  」を運営。著書に『
  
    元証券ディーラーたにやんの超・優待投資 草食編 Kindle版
  
  』(インカムライフ出版)がある。
