B2B,ラクーン,URIHIO,スーパーデリバリー
(写真=濱田 優/FinTech online編集部)

わざと一番小さい会社を選んだ

一方、ラクーンの社員1号として2000年に「採用広告を見て応募・入社した」という石井俊之取締役副社長は大手住宅メーカーからの脱サラ組。「転職するといったら親に泣かれて困ったが、自分が企業の中で1万分の1に過ぎないのが嫌だった」と2年在職した大企業時代を振り返る。

当時はネットベンチャーが立ち上がり、渋谷のビットバレーが話題となったころ。ラクーンもちょうど、渋谷に移転して来た。「サイバーエージェントや、DeNAという選択もあった」が、後にラクーンの代表的サービスである「Paid」や「T&G売掛保証」などのフィンテックサービスを先頭に立って開発する石井氏を面接した小方社長は、「わざと一番小さい会社であるウチを選んでいた。そこに共通の正義感を持っていると感じた」という。

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石井俊之取締役副社長(写真=濱田 優/FinTech online編集部)

最後にその後のラクーンの主な動きに触れておく。

・2014年3月 受発注を一元管理できるクラウド受発注システム「COREC(コレック)」を開設
・2015年8月 越境ECとなる輸出入販売サービス「SD export」を開始
・2015年11月 アパレルメーカーと縫製工場のマッチングサービス「SDファクトリー」を開設
・2016年2月 スーパーデリバリーで厳選した海外ブランドの共同受発注サービス「SD Selection」を開始
・2016年3月 東証一部に市場変更(マザーズ上場は2006年4月)
・2016年6月 スーパーデリバリーが日本サービス大賞で「地方創生大臣賞」を受賞
・2016年8月 中小企業向けネット完結型の売掛補償サービス「URIHO(ウリホ)」を開設

株式会社ラクーン
1993年創業、前身となる会社は95年に起業。96年に株式会社ラクーンに組織変更。全国のアパレルメーカー、雑貨・インテリアメーカーから直接仕入れできる小売店向けの卸・仕入れサイト「スーパーデリバリー」やBtoB掛売り・請求書決済代行サービス「Paid(ペイド)」などを運営。資本金7億4490万円(13年4月現在)。従業員 社名の由来は、小方社長が「ラクーン(あらいぐま)に似ているから」という説がある。 http://www.raccoon.ne.jp/

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