③超富裕層は忙しい

この特徴は、多少の個人差が出るのかもしれません。しかし創業者である企業オーナーの方や、あるいは医師の方などは、そもそもその事業や仕事が好きであるため、一定の経済的成功を収めた後でも、仕事に没頭する方が多いそうです。
そのため、娯楽に使う時間が減り、必然使うお金も減っていくというのです。

④超富裕層は資産を換金しにくい

これは超富裕層の財産構成によるのですが、企業オーナーなどであるため、その資産の大半を自社株や事業の用地、また不動産など換金性の低い形で保有している例が多いそうです。
そのため、それほどキャッシュが潤沢ではない超富裕層も多く、消費に積極的になれないという事情もあるそうです。

やや余談になりますが、PRESIDENT2012年8月13日号掲載の特集「資産10億級「極上リッチ」三万人の鉄則」によれば、超富裕層の場合、資産運用を行うにあたり、国債や国内不動産に振り分ける例が多いそうです。
これらの行為は、必然的に国家や地域経済との結びつきを強くします。

超富裕層の場合、国家や地域に根ざした形で事業を営み、財産を築かれた方が多いので、共同体への帰属意識が一般的な水準よりも高いのかもしれません。

近年噂されるような、国内相続税の高さから加速するといわれる超富裕層や富裕層の国外脱出も、年配の超富裕層に関しては、懸念されるほど盛んではないとも言われています。
(ただ、超富裕層の世代交代が今後加速していくと思われますので、将来的にどうなるかは分かりません。)

参考: 所得税75%の衝撃〜フランスの富裕層脱出にみる日本の将来〜

以上、超富裕層の方々の、消費に関しての特徴についてまとめてみました。
やや強引に要約しますと、日本の超富裕層は自らの事業で財産を築いた方が多く、一番の関心毎は事業や仕事のため、それ程消費への関心が無いのかもしれません。
これは個人的な感想にはなりますが、経済的な不安のない状態で、他人の目やステータスを気にすることなく、自分の仕事に没頭できるというのは、お金は使っていないかもしれませんが、人として大変な贅沢であるように感じます。

ただそれは、個人としてはとても素晴らしいことだと思いますが、冒頭にあるように超富裕層の消費の減少が続けば、経済にも悪影響でてしまうでしょう。社会全体にとって望ましい形で、お金の循環が起ると良いですね。

BY TOMB