昨日7月15日に、LINEが東京証券取引所に株式新規公開(IPO)を申請致しました。上場時期は今年の秋頃との見通しになっております。LINEの関連銘柄はいくつかありますが、今回取り上げるメディアドゥもその一つです。電子書籍関連を扱うKADOKAWAがコンテンツ配信システムを提供して「LINEマンガ」を作るという事でコンテンツ関連をメディアドゥが提供するというニュースが流れ、関連銘柄に仲間入りしました。他にはどんなサービスを行っているのでしょうか。
メディアドゥの会社概要について
メディアドウの沿革をみてみると、1999年4月に名古屋に設立し、その後は、「パケ割」というインターネット上のwebのコンテンツのデータ量を削減して中継転送を行うサービスや、「着うた」「待ちうた」そして今回注目されている電子書籍コンテンツ配信サービスなどweb上での配信サービスやコンテンツサービスなどの著者物デジタル流通事業を主に手掛けている所です。「スマートフォン」「タブレット」端末や「フィーチャーフォン」などの端末向けに「電子書籍事業」「音楽・映像事業」「ゲーム事業」と分けてデジタルコンテンツの流通事業を展開しており、「電子書籍事業」に関してはこれからもっと需要が伸びてくるだろうと見込まれる事業の一つになってきているという事で会社でも注目している事業ということです。また、メディアドゥは、去年2013年の11月に東京証券取引所マザーズに上場しています。
電子書籍サービスの現状
持ち運びが便利で、場所を取らずいつでもどこでも読める便利な電子書籍。注目されてきている分野で、アマゾンキンドル(kindle)や楽天コボ(Kobo)など話題にもなりました。2013年には、アップルがi-bookを発売するなど引き続き続々と電子書籍対応のタブレットが出ており、電子書籍市場は着々とすそ野を広げていっている様子です。書籍を電子化にするという抵抗感は、書店でも薄まってきたようなのですが、現状本の制作過程は、紙で作成することで統一され、その後で電子化にするという事が一般的になっており、書店や出版業界での電子書籍というのは、まだ補助的な役割でしかないのが現状です。
今後、本の制作の仕組みが電子書籍ありきで作成できる事によって、本の価格破壊などが起こってくるかもしれませんが、まだまだ今の一般の人には、紙の本の方が主流なので、今後もっと大衆に受け入れられるようにマーケットを広げていくことで、出版業界や電子書籍の位置づけがかわってくるかもしれません。
期決算結果と来期予想からみる将来予想前期の売上高は、55億4,400万円、当期純利益は1億7,600万円と去年のアベノミックスの影響もあり内需を牽引した為、増収増益になったようです。デジタルコンテンツを使用しているモバイル端末の普及率は鈍化しているもののスマートフォンやタブレット端末などのシェアは徐々に広がってきており、タブレット端末は急速に伸びてきているところをみると、電子書籍の登場で何か急な変化は起きているわけではないけれども、電子書籍をみるツールが徐々に変化していく事で、電子書籍の存在というのが大きくなっていくことで、出版業界の在り方も変化をせまられて変わっていくのではないかという感じがします。
この変化は、コンテンツ事業を行っているメディアドゥにとっては追い風となりますが、その好機をつかむ為には、システムや人材、コンプライアンス等のさまざまな体制を整えている事が重要になってきており、そのあたりの事が課題となってくるようです。