福利厚生の担当者にとって、従業員が働きやすい環境を整備していくことは重要な職務の一つです。職場環境を改善することにより従業員の流出を防ぐことができるだけではなく、モチベーションアップや生産性を高めることにもつながります。

そこで今回は、社員満足度アンケートを活用して職場環境を改善するコツについてお伝えします。

社員満足度アンケートってどういうもの?

厚生労働省の「平成27年雇用動向調査結果」にょると、2015年の1年間の離職率は15%となっており、企業にとって従業員の定着は依然として大きな課題となっています。従業員を職場に定着させるためには、まず不満の原因を探ることが重要といえます。そこで、社員満足度アンケートを実施して回答を参考にすることで、職場環境の改善や福利厚生の見直しに役立てることができます。また、社員のキャリア形成や管理職養成のヒントを発見できることもあり、活用次第で有益な情報を得ることも期待できます。

アンケートに必要な項目は?

社員満足度アンケートに必要な項目には、以下のようなものが挙げられます。

1. 仕事の満足度
2. 従業員の福利厚生への満足度
3. 退職についての意識
4. 通勤時間や通勤のつらさなど
5. 管理職が頼れる存在かどうか
6. プロジェクトチームや部門の雰囲気
7. 上司の生産性についての評価

職場への満足度は、人間関係によって左右されることもあります。そのため、上司や管理職を社員に評価させることにより、社内の雰囲気や管理職のマネジメントに問題がないか確かめることも大切です。回答形式には、「満足・やや満足・普通・やや不満・不満」のように5段階の選択式や、100点満点で採点してもらう方法、自由記述式などいくつか方法があります。

アンケートの回答率を高めるコツは?

アンケートの回答率を高めるには、社員が安心して協力できるようにすることが大切です。そのうえで、より正確に実態を把握するため、本音を出しやすい状況で実施しましょう。そのために、「匿名にする」、「回答内容が他に漏れないことを明記する」、「ビジネス口調を避ける」、「質問項目を必要なものに絞る」、「アンケートの目的をあらかじめ伝えておく」などを意識してみると良いかもしれません。

記名式にした場合、自分にとって不利益な回答を書く人はまずいないと考えてよいでしょう。本音を引き出すという観点から匿名であることは重要です。また、あらかじめアンケートの目的を伝えておくことで、回答しやすい雰囲気を作っておくことも有効です。

アンケートから課題を見つけて改善に活用するには?

アンケートの結果から職場環境を改善するためには、まず担当者が個々の業務内容について把握している必要があります。「職場環境に対する不満がある」ということがわかっても、業務内容を把握していないと具体的な解決策を見いだせない可能性があります。また、改善できるところは早急に改善していくことで、アンケートが役立っていることを社員にアピールでき、社員満足度の向上につなげることができます。

アンケートの結果は経営者など一部の人間だけではなく、回答者全員にフィードバックすることも大切です。回答を単なる「答え」に終わらせるのではなく、一つの「意見」として職場環境の改善につなげるために、社員も結果を知る必要があります。結果をフィードバックすることにより、次回のアンケート回答率の上昇にもつながるでしょう。

本音を引き出して改善していく姿勢を

社員満足度アンケートを実施することは、人事担当者や福利厚生担当者が社員の意見を聞くことができる貴重な機会でもあります。アンケートの意見をもとに改善への行動を示すことで、社員の本音を引き出して職場環境を改善していきましょう。(提供: フクリ!

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