お金の価値を考えようと思った時に、「一応、円高・円安について勉強したんだけど、時々混乱しちゃうんだよな。」「為替について一通り理解しているんだけど・・・。」と言った方もいらっしゃるのではないでしょうか。

そんな方のために今回は、為替を考える時の肝について話をしていきます。ハンバーガー1個100円だったのが、120円になったとき、どう考えますか?「キャンペーンが終わったのかな。」・・・確かにそういうことかもしれません。でも、どうでしょうか。ハンバーガーだけではなく、身の回りのもの全てが値上がりしたら。それでも、「値上がりした。」とお感じになるでしょうか?物に「価値がある」から、お金を出して物を買っていることと思われます。その時、お金に「価値がある」ということは自明すぎて意識していないのではないでしょうか。そうです。お金には価値があります。だから、商品と交換できるわけなのですが。

しかし、それは不変ではありません。変動しているものなのです。それが理解できると、為替、そして全ての経済がグッと分りやすくなってきます。以下ではお金の価値を考えるために為替、インフレ、金利、物価についてみていきましょう。

為替は「お金の価値」という観点で理解すると分りやすい

円高とは何でしょうか?1ドル=100円が1ドル=90円になることですね。ここで、混乱しやすいのは、ドルが中心の表記法になっているからでしょう。これが、もし逆に100円=1ドル、100円=1ドル20セントとかであればどうでしょうか?100円で1ドルしか買えなかったのに、100円に1ドル20セントも手に入るのだ。つまり、円の価値が上がったから円高だな、と簡単に理解できるのではないでしょうか。

為替とはつまり、通貨価値を相対的に表現しているものなのです。円高に進むということは、円の価値が相対的に上昇していっているということです。そして、円安に進むということは、円の価値が相対的に下落していっているということです。通貨価値とは絶対的なものではないのです。あなたのお財布に入っている1万円がこのまま何十年も今の1万円の価値を持ち続けるわけではないのです。では、それを為替以外の側面から見ていきましょう。

物価って何だろう?

物価、物の値段のことですね。物価というのも、お金の価値を表すものなのです。冒頭に挙げたハンバーガーの例ですと、「原材料が変わったから値段が変わった。」ということが想定されます。ここではガソリンを例に挙げましょう。ガソリン、1リットル=90円から1リットル=140円になりました。さて、どうしてでしょうか?答えられますね。そう、通貨価値が下がったのです。その証拠に、ガソリン価格が上昇するときは、必ずと言っていいほど、その前に「円安の流れ」という報道を耳にしているはずです。円安とは、ドル(ここでは他通貨を代表してドルとします)に対して円が安くなることでしたね。物価があがると通貨価値は下落していっていることが予測できます。つまり、為替の面でいうと、同時に円安基調であることが想定されます。