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アマゾン(Amazon)の2014年の第1四半期決算は、売上高が197億4100万ドルで、前年同期比で22.8%増加しました。また、純利益は1億800万ドルとなっており、前年同期比で31.7%増となっています。しかし、次の四半期の予想によると営業損益を5500万〜4億5500万ドルの赤字と予想しており、前年同期では7900万ドルの営業利益を計上していたのにも関わらず、今期は赤字予想となっています。CEOのジェフ・ベゾス氏は売上高の最大化を企業ミッションとして掲げており、短期的タームで見ると常に赤字になっている印象があります。世界最大のECサイト企業であるアマゾンの経営戦略とは何なのでしょうか。


顧客ファーストのために莫大な経費を計上

営業経費を見ると195億9500万ドルとなっており、前年同期比率で23%も増加しています。主力の物流の強化に加えて、マーケティング、コンテンツ部門などにおいていずれも増加しています。ECサイトで買い物をする顧客の多くが「送料無料」を理由にアマゾンを選びます。配送にかかった費用を見ると前年同期比で31%も増加した18億ドルとなっており、顧客から受け取った配送料を差し引いたアマゾン.comの負担額は9億8000万ドルとなっています。これは実に売上高の5%を占めるのです。

同社は、短期的な利益を抜きにして自社の経費が大幅に膨らんだとしても、常に売上高の拡大を図ってきました。2012年には、日本国内単体の売上げが78億ドルに及びんでいることを発表し、楽天の2858億円(当時)の2倍以上に登る規模に達していたことも分かっています。この何処までも売上高を追求する姿勢の源泉は、どこから来るのでしょうか。


1兆円もの赤字を抱えても方針転換しなかった

日本での単体売上げが楽天の2倍もの規模に上り、日本で最も利用されているECサービスとなったアマゾンですが、人々はなぜアマゾンを使うのでしょうか。言うまでもなく、商品を探すことが用意なインターフェースで、在庫が豊富に用意されており、送料が無料であり、購入後迅速に品物が届く、ということに集約されるでしょう。これらの特徴のうち、インターフェースに関わるもの以外は、流通や在庫を自社で管理しない限りは実現できません。

つまり、アマゾンはネット企業ではありますが、自社で倉庫を持ち、流通に力点を置いている部分が真の強みなのです。今日では当たり前となったアマゾンの特徴ですが、赤字を垂れ流し続けていた2000年前後は投資家から大バッシングを受けました。当時はインターネットの黎明期で、雨上がりのタケノコのように新しいウェブサービスが大量に生まれ、資金調達がし易い状況でした。アマゾンの競合となるECサービスも次々と生まれては巨額の資金調達に成功していたのです。投資家がお金を出した要因のひとつに、ネットECは倉庫や自前の流通、在庫を抱えないがために身軽であるという点があります。アマゾンも最初は他のECを同じように自社の倉庫を持たないままサービスをはじめました。

しかし、サービスイン直後にベゾス氏は、むしろ最高の顧客体験を実現するためには自社が在庫を持って流通のハンドリングを握らなければならない点に気づきます。「倉庫こそアマゾンの最大の資産」を明言し、その後大量に投資を行って累積赤字は1兆円にも達したのです。もちろん、投資家や株主からは大バッシングを受けましたが、それでもベゾス氏は方針転換しませんでした。周囲の批判も我関せず、投資を続け、ついに6年間かけて2003年に黒字化を果たすのです。当時、アマゾンのようにリスクを取らずにウェブのみでサービスを展開していたライバルのECサイトは次々と消えていきました。