ニュース番組や新聞などで耳にすることも多いインフレやデフレという用語ですが、その意味やインフレ・デフレによって引き起こされる影響について正しく知っていますか?この2つの用語は相反するもので、景気や私たちの資産に大きな影響を与えるものです。

今回はそのインフレについて、改めて考えてみましょう。

インフレとは何か

Inflation
(写真=Artem Postoev/Shutterstock.com)

インフレとはインフレーション(Inflation)の略で、物価が上がり続けていく経済の状態をいいます。一方で、デフレーション(Deflation)は略してデフレといい、物価が下落し、物の需要が大きい社会状態になることをいいます。

インフレは基本的に好景気の際に起こり、デフレは不景気のときに起こります。デフレになると物の価値が下がり、貨幣の流通量が少なくなります。この状態から景気をよくするために、貨幣の流通量を上げてインフレ状態を作り出す金融政策が行われることがあります。

インフレになるとどんなことが起きるのか

インフレになるとどのようなことが起こるのでしょうか。

インフレは物価が上がり続けていくことを指しますが、これに対応して貨幣の価値が下がってしまうという現象が起こります。例えば、卵が1パック200円だったものがインフレによって400円に上がったとします。この場合、倍の値段を出さなければ購入できなくなってしまうことから、お金の価値は約半分になってしまったということです。

インフレの状態が長期にわたって続くと、ライフプランに応じて資金計画が立てにくくなるという問題が発生します。例えば、持ち家や投資のために不動産を購入することがありますが、不動産は高額のためローンを組むことが多いでしょう。このローンは長期に計画的に返済していくのですが、お金の価値が大幅に変動してしまうと、返済計画が立てにくくなってしまいます。

ローンを組む際にはライフステージに応じて必要な出費を踏まえたうえで、月々どのくらい返済していくことが可能かを判断するのですが、必要な出費額を把握できないためです。こうなってしまうと、不動産を購入することに躊躇する人が増えてしまいます。

インフレによる資産への影響

インフレによって、保有資産の価値に変動はあるのでしょうか。インフレは、お金の価値が下がる状態が続くものです。そのため、銀行などに保有している預貯金や手持ちの現金についても価値が下がってしまいます。例えば、先の卵の物価が倍になってしまうと、500万円の預貯金があったとしても、自身は何もしていないのにインフレによって卵を250万円分しか買えないほど価値が減ってしまうことになります。

では、不動産の場合はどうでしょうか。物価の上昇とともに、地価や建物の値段も上がっていくことが多いため、実物資産である不動産はインフレとなっても価値が下がるような影響は受けにくいといえます。もっとも、インフレになると金利は上昇するため、変動金利で住宅ローンを組んだ場合は総返済額が大きくなる恐れがあります。インフレが数年後などに見込まれるような場合は、住宅ローンの金利は固定金利を選択しておく方が安心です。

株式などの投資商品の場合は、値動きは物価が上昇することによって、同じく価値も上昇することが多くなります。インフレによって企業の収入が増えていくことになりますので、価値が上昇します。そのため、株価なども上昇することが多いことから、資産の価値が減ってしまうような変動の影響は受けにくい傾向にあります。

インフレ対策に預貯金だけでは不安

インフレが引き起こされると預貯金の価値が下がってしまうことから、所有財産として現金だけではなく不動産や投資商品を持っておくことが対策となります。

預貯金は金額そのものが減ることがないという意味では確実ですが、それだけではインフレリスクの影響を大きく受けてしまいます。他の資産に分散することによって、インフレによるリスクを回避することにつながるのです。(提供: 不動産投資セミナー

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