30代は働き盛りで、毎日の忙しさに自分の体を気にかける余裕もないかもしれません。しかし、がんや急性心筋梗塞、脳卒中などに突然かかる可能性はあります。30代はこれらの3大疾病にかかる予備軍といわれるのをご存じでしょうか。その原因は、遺伝的要素や近年の欧米化した食生活や生活習慣の偏りによるものなどさまざまです。

30代の病気死因の傾向と、実際に入院した場合の治療費はどのくらいかかるのかを調べてみました。

病気死因の1位はがん

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(写真=pdsci/Shutterstock.com)

厚生労働省が発表した「平成27年(2015)人口動態統計(確定数)の概況」によると、死亡原因の1位は悪性新生物(がん)で約37万人、2位は心疾患で約19万5,000人、第3位は肺炎で約12万人となっています。

国立がん研究センターがん情報サービス「がん登録・統計」の2014年のデータによると、肺がんの死亡者数がもっとも多いという結果が出ています。次いで大腸がん、胃がん、すい臓がんとなっていて、女性は子宮がんや乳がん、男性は前立腺がんなどがあります。

がんは病気死因の1位ではありますが、先進医療の進歩により、早期に治療をすることによって根治の可能性が高くなってきています。しかしながら健康保険適用外の治療も多く、先進医療を受けるためには治療費用が高額になり患者の負担になっているのが現状です。

入院した場合の費用は?

厚生労働省が発表した「平成26年(2014)患者調査の概況」によると、肺がんで治療を行う場合の平均入院日数は約20.9日になります。生命保険文化センターの「平成25年度 生活保障に関する調査」によると、1日にかかる入院費用は平均2万1,000円(差額ベッド代、食事代、治療費等を含む)ですので、入院費用だけで1日2万1,000円×入院日数平均20.9日=約43万8,900円が必要という計算になります。

その他、治療のために先進医療を受ける場合、先進医療の技術料は健康保険適用外となります。先進医療とは、厚生労働省が定める高度な医療技術を用いた治療のことです。放射線療法や移植・再生療法、抗がん薬などの薬物療法などが含まれます。

ただし、ひと月にかかる治療費が高額な場合には、健康保険制度から高額療養費制度を受けることができます。その際の自己負担限度額は保険加入者の所得水準によって異なります。例えば、70歳未満で健康保険組合に加入している方は標準報酬月額が28万円未満、国民健康保険に加入している人は年間総所得金額が210万円以下の方の場合、自己負担金額の上限は5万7,600円(月額)となります。ただし直近12ヵ月以内に3回の高額療養費の給付を受けている場合は、4万4,400円(月額)が上限金額になります。

ここで注意点があります。高額療養費制度は健康保険が適用する費用のみが対象となっており、差額ベッド代・食事代・先進医療の技術料などは対象外です。したがって、病気にかかった場合に治療費で困らないためには、先進医療に対応できる、入院費用を賄える保険に加入するとよいでしょう。

30代の人が1度検討した方がいい保険は?

30代の人が1度検討したほうがいい保険は、終身医療保険です。定期ではなく終身タイプにすることで、加入時の保険料のまま定額で保険を継続できます。加えて、結婚している場合には万一の備えに死亡保障をプラスします。子どもがいる場合には教育費準備として、死亡保障に加えて学資保険などをプラスするのが理想的でしょう。

医療保険は、長期の入院だけでなく、日帰り入院を含む短期間の入院にも対応しています。先進医療にも対応している保険などもあるので、一度保険代理店に相談してみるのもいいでしょう。

30代は3大疾病にかかりやすい予備軍の年齢層ですが、比較的保険料も割安に加入することができます。健康なうちは気づきにくいですが、病気になってからだと保険には加入しにくくなります。がん保険は加入をしても待機期間があることが一般的なため、早いうちに検討するといいでしょう。

割安だからといって安易に決めず、がんや急性心筋梗塞、脳卒中などのリスクの大きい病気への備えを視野に入れて、保険を検討してみてはいかがでしょうか。(提供: 保険見直しonline

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