投資判断を行う際に重要なのは、投資対象の将来価値を想像することだ。例えば、実際に2017年前半の日本の不動産マーケットは東京オリンピックを前に活況を呈している。さらにその先も見据え、将来目線で考えたときに不動産マーケットがどのように変化していくかを想像する視点を持つことが必要だ。今回はそのような前提で米国不動産に投資する理由についてみていこう。

なぜ米国に投資をするのか

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(写真=In Green/Shutterstock.com)

日本の不動産への投資は、富裕層の間では一般的な資産運用方法だが、最近は米国の不動産への投資が見直されているといえる。それでは、なぜ米国不動産への投資が見直されているのだろうか。米国不動産投資のポイントは後述の4点に分けられる。1. 上昇傾向にある家賃、2. 低い空室率、3. 貸主の強い権利、4. ドル建て資産の保有である。それではポイントに分けて説明しよう。

1. 上昇傾向にある家賃

まず、上昇傾向にある家賃を米国国勢調査局のデータをみていこう。

米国国勢調査局の調べによると、全米の家賃中央値は、1989年の値から2016年で2.3倍になっており、年平均に計算しなおすと毎年3.3%家賃が上昇している。家賃が上昇傾向にある理由は米国経済の経済成長と人口増が原因といわれており、米国経済が今後継続的に成長していくとすれば、家賃の上昇の可能性もあるということである。

2. 低い空室率

次は、米国不動産の低い空室率について米国国勢調査局のデータをみていこう。

2015年米国国勢調査局データによると、米国不動産の平均空室率は約7.1%となっており、2010年から2015年まで空室率は継続的に下がっている傾向にある、空室率が下がっているということは、反対の意味で考えると米国不動産は近年高い稼動率を保つことが出来ているということである。

3. 貸主の強い権利

一般的に米国は日本と比べ貸主に強い権利があるといわれている。

そういわれる一番の所以は、日本の借地借家法のような借家人保護の賃貸事情とは異なり、米国では貸主に強い権利があることである。例えば、米国の賃料改定の方法は貸主から新賃料提示を行い、借家人が受け入れるか否かである。

4. ドル建資産の保有

ドル建資産の保有をすることで、日本国内だけに資産配分を行うのではなく、自分自身の資産背景に適したアセットアロケーション(資産配分)を行うことが可能になる。そのようなことを行うことで為替に影響を受けにくいアセットアロケーション(資産配分)の構築が可能になる。

今後、アセットアロケーション(資産配分)を検討する際は、米国不動産をはじめとする海外不動産等選択肢を排除せずに自分自身の資産を自分自身で守るといった意識を持ち資産運用を行っていただきたい。(提供: みんなの投資online

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