東京で第12回日中韓自由貿易協定(FTA)交渉会合が開催され、物品貿易、サービス貿易、投資などの分野について議論が行われた。

貿易への依存度が高い韓国は、2004年に発効した南米チリとのFTAを皮切りに、シンガポール、ASEAN各国、EUなどとFTAを締結。2016年時点で54か国との間でFTAが発効または締結し、15カ国と交渉を進めるなど、各国・各地域との提携交渉に積極的に取り組んでいる。

不平等な条件も受け入れる韓国

FTA,日韓関係
(写真=PIXTA)

2017年4月10日にはユーラシア経済連合(EAEU)とFTA交渉を始める合意に達した。EAEUはロシア、カザフスタン、ベラルーシ、アルメニア、キルギスの5カ国で構成されている関税同盟である。

FTAの締結を優先させる韓国は不平等な条件も受け入れている。2012年3月に発効した米国とのFTAでは、乗用車は関税を撤廃する4年後まで米国は2.5%の関税を維持するが、韓国は発効と同時に8%から4%に引き下げて4年後に撤廃。

貨物自動車は、米国は発効後の7年間は25%の関税を維持してから段階的に引き下げ、10年後に撤廃するが、韓国は発効後に即時撤廃する。保険公団が決めた薬価を安いと判断した製薬会社は薬価検討委員会に異議の申し立てができるなど米国企業を優遇するISDが盛り込まれている。

医療分野だけで開始から半年の間に8件の申し立てがあったという。韓国が米国より優位な市場開放を第三国と締結すると米韓FTAにも同じく適用される最恵国待遇もある。

見直しを迫るアメリカ