現代自動車が2011年に生産した高級乗用車エクウスとジェネシスのエンジン関連部品に欠陥が見つかったとして、韓国国土交通部が3月28日付で同社に自主的なリコールを勧告していることが分かった。

国土交通部と自動車の専門家、消費者団体などが参加する製作欠陥審査評価委員会は、2016年10月に内部告発者から提供された情報をもとに調査を進めていた。対象車は約6万8000台で、現代自動車が30日以内に自主的リコールを行わない場合、国土交通部は強制的リコールを計画していると韓国毎日経済新聞は伝えている。

韓国と米国で147万台がリコール

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(写真=Renovacio/Shutterstock.com)

現代自動車と起亜自動車は、勧告を受けた高級乗用車2車種と別に、2013年8月以前に生産したグレンジャー、ソナタ、K7、K5、スポーティジの5車種17万1348台を対象に自主的なリコールを実施する。

2015年、米国でシーター2エンジンを搭載したソナタ47万台のリコールを行った際、韓国内で生産した車両はリコールの対象外と主張していた。韓国でも同エンジンを搭載した車両が走行中にエンジンが停止するという申告が相次いだことから国土交通部が調査を進めていた。国土交通部が欠陥を発表する直前にリコールを届け出たとハンギョレ新聞は指摘する。

現代自動車グループは、米国とカナダでもシーター2エンジンを搭載した車両130万台のリコールを届け出ており、韓国と合わせて147万台がリコール対象になっている。高級乗用車2車種のリコールが決まると、総数は3カ国で154万台に達する。

米国道路交通安全局に隠蔽疑惑を申告し、韓国メディアなどにも情報を提供した同社の金某部長は、社外に情報を流出させたとして2016年11月2日付けで解雇されている。

内部にも悩まされる現代自動車