韓国のコンビニエンスストア市場が2016年度、20兆4000億ウォン(約1兆9600億円)とはじめて20兆ウォンを突破した。2011年に10兆ウォンを超え、15年度は前年比24.3%増、2016年も18.6%増と2年連続で二桁成長となった。コンビニが急成長した背景に「ホンパプ(一人飯)」、「ホンスル(一人酒)」の増加がある。

コンビニで食事とコーヒーを済ませる若者たち

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(写真=Tuangtong Soraprasert/Shutterstock.com)

2015年の1人世帯は520万3000世帯で、全1091万1000世帯の27.2%を占め、ついで2人世帯26.1%と1〜2人世帯が半数を超えている。1人で食事をしたり酒を飲んだりする人が増えているが、既存店は複数での飲食が前提で、1人で食事ができる店は限られる。食事時には1人客を断る店すらある。

韓国のコンビニエンスストアは、カウンターやテーブルなど飲食スペースを設けているのが一般的で、電子レンジや温水器を自由に使うことができる。日系コンビニのミニストップ鐘路店は、カウンター10席で2人掛けテーブル7卓、無料Wi-Fiやスマホの充電プラグも備えてある。買った弁当を店内のレンジで温め、カップ麺を店内で食べる利用客は多い。

コンビニ弁当は安いが美味しくないと敬遠する人が多かったが、2014年頃から大手のGS25が品質向上に取り組み、CUやセブン-イレブンも力を入れるようになった。2015年にはセブンイレブンが品質を高めたコーヒーの販売をはじめた。食事のあとにコーヒーを飲む最近のトレンドに合わせ、コーヒーショップで4000〜5000ウォンで提供されるメニューと同品質のコーヒードリンクを1000ウォン台で提供する「セブンカフェ」が評判になり、他のコンビニも追随した。

CUが発表した売上げ分析によると、2015年度に成長率が最も高かった商品は弁当(168.3%)で、コーヒー(81.2%)、インスタント食品(97%)と続いている。 GS25はカフェ25(242.7%)、弁当(176.9%)、家庭インスタント食(119.1%)の順で、セブンイレブンもセブンカフェ(400%)、健康機能食(376.8%)と、大手3社いずれもの一人世帯を狙った食べ物が売上げを大きく伸ばしている。

コンビニでビールやつまみなどを買って店に設けられたテーブルで飲食する利用客や弁当に加えて食後のコーヒーやザートもコンビニ店内で完結する若者が増えているのだ。

対照的に厳しい百貨店

薄利多売が主流の韓国の大型マートは食材などが豊富だが、2+1、3+1など多く買うと割安となる販売手法が多い。増加が著しい1人世帯や2人世帯には合わず、2016年の売上げは対前年比0.4%減にとどまっている。

韓国百貨店業界も2016年の売上げが29兆9000億ウォンにとどまった。2014年度29兆3000億ウォン、2015年は29兆2000億ウォンで横ばいのままだ。

新世界百貨店が積極的な店舗展開を行い、業界売上30兆ウォン突破は確実と思われていたが、2016年殿の終盤で失速した。大統領のスキャンダルで消費者が毎週末、ろうそく集会に向かったのだ。本来であれば百貨店の売上が大きくなる2016年11月と12月にろうそく集会がピークを迎えて、ロッテ百貨店や現代デパートなど対前年比マイナスとなった。30兆円の壁を超えられずにいる。(佐々木和義、韓国在住CFP)

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