米大手ヘッジファンド、フォートレス・インベストメント・グループの元マネージャー、マイケル・ノボグラッツ氏が、ビットコインとイーサリアムに純資産の10%を投資していることを明らかにした。
正確な額については不明だが、ノボグラッツ氏はフォーブス誌の長者番付にもランクインしたことのあるビリオネアだ。ほかにも仮想通貨で財を築いたビリオネアもいる。
ノボグラッツ氏「イーサリアムが1ドルの時代から将来性を感じていた」
CNNの報道 によると、ノボグラッツ氏は4月に開催されたハーバード・ビジネス・スクールのイベントで、デジタル通貨とブロックチェーンについての見解を述べた際、「人生で最も有意義な投資」としてビットコインとイーサリアムに純資産の10%を投資していることを明かした。
ノボグラッツ氏は正確な額については明らかにしなかったものの、2015年にフォートレスから受けとった退職金だけでも2億5500万ドル (約278億1285万円)と報じられている。
イーサリアムがまだ1ドル(約109円)前後で取引されていた当時、自宅の夜食会でイーサリアムの設立者であるVitalik Buterin氏と対面したノボグラッツ氏は、「イーサリアムの将来性を確信した 」という。
ノボグラッツ氏のような投資のベテランが、デジタル通貨やブロックチェーンに肩入れしているという事実は、従来のヘッジファンドの常識からは想像しがたい。
しかし2014年当時マネージャーを務めていたフォートレスでは、米国初のビットコイン投資会社となったパンテラ・キャピタルに、1億5000万ドル(約163億6050万円)を投じるなど、初期成長段階から多大なる関心を示していた。
ビットコイン500枚の購入から始まったシュレム氏の成功
4月22日のCoinDeskのデータでは、イーサレムは48.50ドル(約5290円)、ビットコインは1241.69ドル(約14万円)まで上昇している。ノボグラッツ氏の確信を裏づけるには十分な「資産革命」といえるだろう。
仮想通貨に投資の未来を見いだしているビリオネアは、ノボグラッツ氏だけではない。ビットコイン財団やインテリシス・キャピタル の設立で知られるチャーリー・シュレム氏 は、まだ大学生だった2011年に1枚3ドル(約327円)相当だったビットコインを500枚購入。
価格が20ドル(約2181円)まで高騰したのを機に何千枚単位の大型購入に切り替え、Bit Instantを立ち上げた。ウォルマートなどの大手米リテール7万店でビットコインを販売するという発想で、瞬く間に1400万ドル(約15億2698万円)相当のビットコインを取り扱う巨大ビジネスに成長させた。この大成功により、自身の資産を4500万ドル(約49億815万円、Altcointoday.com2015年データ)にまで増やしている。
Facebookを発案した双子投資家はビットコインで新開地に挑戦
Facebookの「発案」をめぐり裁判にもちこんだことで一躍世間の注目を浴びたウィンクルボス兄弟 も、ビットコイン・ビリオネアの代表格だ。2012年にベンチャー・キャピタル、ウィンクルボス・キャピタルを 設立した翌年、デジタル資産取引所、ジェミニ・トラスト・カンパニー を立ちあげ、ビットコイン市場への進出を果たした。資産は4億ドル(約436億2800万円、Altcointoday.com2015年データ)を超えるという。
アジアのビットコイン・ビリオネアではニューヨークを本拠地とするFinTechおよびビットコイン・インキュベーター、CoinApex の代表取締役、Yifu Gou 氏が有名だ。ニューヨーク大学在学中に「生活費の足しに」と軽い気持ちで始めたマイニングが、後にASIC採掘機メーカー、Avalonを設立するきっかけとなった。
そのほかBitPayやRippleへの初期投資で5200万ドル(約56億7164万円)の純資産を築きあげた通称ビットコイン・ジーザス、ロジャー・バー氏などもいる。
これらのビットコイン・ビリオネアの成功は、仮想通貨に秘められた将来性への確信に導かれたといっても過言ではないだろう。「ビットコインに投資し始めた当時、世間に嘲笑されたことをいまも覚えている」というノボグラッツ氏は、「ビットコインが年内に2000ドル(約22万円)を超える」 と新たな確信をいだいている。(アレン琴子、英国在住フリーランスライター)
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