中国本土市場が軟調である。週足でみると上海総合指数は4月第1週に1.99%上昇しており、週末となる4月7日は場中で高値3295.19ポイントを付け、年初来高値を更新。

昨年11月29日の高値3301.21ポイントまで後わずか6ポイント強まで迫っていた。ここを抜けると昨年1月7日以来の場中高値となる。いわばブレイクアウトの形となる。

しかし、第2週は1.23%下落、第3週は2.25%下落。第4週の初日となる24日は1.37%下落しており、相場の強弱の分かれ目となる200日移動平均線前後まで売り込まれている。25日は0.16%上昇、3134.57ポイントで引けている。上海総合指数はほんの1か月足らずの間に、ブレイクアウト直前の状態から弱気相場への転換を懸念しなければならない状況まで下げてしまった。何が原因なのだろうか?

ファンダメンタルズが好転する中での下落

中国相場,株式市場
(写真=PIXTA※画像はイメージです)

下落過程において、ファンダメンタルズ面では大きな好材料が複数あった。

1つ目は17日に発表された好調な2017年1-3月期の成長率、3月の月次統計である。前者は6.9%で2016年10-12月期、市場コンセンサスを0.1ポイント上回った。3月の月次統計では、鉱工業生産、固定資産投資、小売売上高、輸出の伸び率は前月を上回り、かつ、予想を上振れしている。

2つ目は19日に発表された減税政策である。1月1日から実施された政策によって、1-3月期は2000億元程度の減税効果があった。今回の減税政策が加わったことで、これから年末にかけてさらに3800億元程度の減税効果が現れるとみられる。

3つ目は米中貿易摩擦の軽減である。トランプ大統領は4月12日、メディアの取材を受けて、「中国において為替操作は存在しない」と発言した。

4つ目は“一帯一路戦略”に関する重要会議開催の発表である。外交部は18日、中外メディアに対してブリーフィングを行い、“一帯一路”国際協力サミットフォーラムが5月14日から15日にかけて北京で開催され、習近平国家主席が開幕式に出席、28カ国の国家元首、政府首脳による円卓サミット会議を主催すると発表した。これは今年最大の外交行事の一つとなる見込みである。これだけ好材料があったにもかかわらず、下落したことに中国市場特有の問題が潜んでいる。

上海総合指数は歴史的にファンダメンタルズとの関連が薄い