昨年から引き続き過熱気味のアパートローンについて、金融庁が懸念を表している。この動きを受けて、不動産投資を行っている者の中にはネガティブにとらえるものとそうでない者とに分れてきているようだ。今後の展開と併せて考えてみよう。

特に地方銀行向けに発せられた通告

アパート投資,不動産投資ローン
(写真=chombosan/Shutterstock.com)

マイナス金利と相続税の増税が重なり、初めて不動産投資を行う人がこの2−3年圧倒的に増えた。属性のいいサラリーマンや専門職に付く人達も含まれる。

特に地方では新築のアパートなら自己資金ゼロのフルローンでも融資が通ることが珍しくなかった。その結果2016年は過去最高のアパートローン貸付残高を記録したということだ。金融庁の調べでは前年比15%以上の増加である。これはバブル期並みの増加率である。低金利時代に地方銀行・信用金庫は利益をあげることが容易ではない。地方にある企業への融資だけでは売り上げ維持には厳しい状態であった。

このマイナス金利政策と不動産投資のブームは地方の銀行にとって高利息が安定的に取れる貸し出しだった。担保も取れるため強気の不動産会社の営業もあり、途切れることなくアパートローンの申込がくる。企業への貸し出しよりも圧倒的に不動産投資への貸し出し中心になっていただろう。

貸し出しが引き締められると……