今、自分の振り返ってみると、「ああ、こうしたことを20代、30代に知っていればなあ…」と思うことが多々あります。もっと早く知っていれば、ひょっとしたら若くして、年収1億円を達成できたかもしれません。

私が実践してきた「勉強法」、そして人生で得た「投資の教訓」などについて述べます。ここれはスガシタ式「成長の法則」と「勉強法」を4段階にして、まとめました。その中で私が学んだ「投資の教訓」なども織り交ぜて、お話をしていくことにしましょう。

(本記事は、菅下清廣氏の著書『10年後に差が出る! 富を作るために「お金」と「経済」を学びなさい』(かんき出版 2013/2/27)の中から一部を抜粋・編集しています)

STEP1 広く、そして浅く情報を読む

成長の第一段階、ファーストステップとして大切なのは、まず広く浅く情報を読むことです。「勉強しよう」と決意しても、どんなことから始めればいいか、よくわからないのではないでしょうか?情報が多すぎて、どんな情報が役に立つのか、全然わからないのではないでしょうか?ですから、その段階でやるべきことは、少し乱暴な言い方かもしれませんが、「何にでも手を出してみる」ということです。

情報を読むのは、本でもネットでも、何でもかまいません。例えば、本を読むとするなら、「広く」の意味はできるだけ多くのジャンル、多くの著者の本を読むこと。そして「浅く」の意味は、とにかく量をこなすということです。時間をかけてじっくり読むというのではなく、さらっと読み流しましょう。途中で「つまらないな」と感じたら、読むのもやめてもかないません。とにかくそうやって量をこなすのです。

繰り返しますが、ここで大切なことは、「ジャンルを限定しない」ということです。経済や金融だけでなく、さまざまな情報を読んでみてください。まずは、広く、浅く情報を読むこと。そうすることで「情報を選別する目」がだんだんと見についてくるでしょう。

STEP2 深く掘り下げる

「役に立つ情報を選ぶ目」が身についてきたら、第2段階です。その中で「役立つと思う情報」や「興味を持ったジャンル」について、深く掘り下げてみてください。「役に立ちと感じる情報」は、人それぞれ違うでしょう。また、興味を持つジャンルも、人それぞれでしょう。例えば、株、為替、不動産など、それぞれに興味がある分野について、深く掘り下げてみてください。株に興味を持って、「株で儲けたい」と思った人は、「どうしたら株式投資で成功できるか」という視点で情報を読みこんでみましょう。

つまり、この段階で「自分視点」を加えて、情報を読み込むのです。

STEP3 現実と情報の乖離を知る

いよいよ第3段階です。ここまできたら情報を実際に活用してみましょう。株や経済の本を読んで、実際に投資をしてみるのです。実践し、試してみましょう。そうすると、必ず気づくはずです。

「あれ?インターネット関連株が上がると言っていたけれど、最近は全然あがらなかったな…」

つまり、現実と情報の乖離を見つけることができるのです。実際に株式投資をやってみると、「株で成功するためには、株式投資のテクニックの本ばかり読んでいてもダメだな」と気づくことでしょう。

まずは、情報通りに実践をしてみてください。そして、現実と情報の乖離を知ることが大切です。

STEP4 人間心理を極める

いよいよ、最後の段階です。情報と現実を乖離させているものは何か?その乖離を埋めるものは、「人間心理」であると気づくことでしょう。実際、投資の上級者は、一定の勉強を終えたら、「人間心理」の探求を始める人がほとんどだと思います。

この段階まできたら、あとはそれぞれ自分のやり方で勉強をすればいいでしょう。人間心理を勉強することにより、「あなた独自の視点」が身についてくるはずです。

『10年後に差が出る! 富を作るために「お金」と「経済」を学びなさい』かんき出版(2013/2/27)画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします
『10年後に差が出る! 富を作るために「お金」と「経済」を学びなさい』かんき出版(2013/2/27)画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします

デフレ自体を乗り切る投資の三原則

最後に「おまけ」として、デフレ時代を乗り切る「スガシタ式投資術」を伝授したいと思います。私は「デフレ時代を乗り切る投資術」を、以下の三原則にまとめました。

(1)元本をできるだけ減らさないこと
(2)流動性を確保すること
(3)キャッシュフローのあるものに投資をすること

まず(1)ですが、元本は「元のお金」です。要は、「元のお金を失くしてしまうような、リスクの高いものはやめなさい。リスクの低いものに投資をしましょう」ということです。デフレ時代、投機は失敗することが多いですから、安全性を重視して、少しずつお金を増やしていきましょう。

次に(2)ですが、これは「すぐに換金できるような流動性の高いものに投資をしましょう」ということです。例えば、不動産などを買ってしまうと、仮にお金が必要になっても、すぐにその不動産を売って、お金に換えることはできません。そういったものには投資をしてはいけないということです。ですから、デフレの時代は換金性のある物件を選ばなければなりません。

最後に(3)ですが、キャッシュフローは「日銭が入ってくるもの」という意味です。例えば、土地を買って駐車場にしたら、収入が毎月入ってきます。このように日々お金が入ってきて、お金が回転していくような資産を投資の対象にしましょう。

特に、元本を確実にキープして、キャッシュフローを増やしていくということが、デフレの時代の勝者の条件です。そして、近い将来デフレが終わるような経済状況になれば、株や土地が値上がりする資産インフレの時代がやってくるからです。

菅下 清廣
スガシタパートナーズ株式会社代表取締役。国際金融コンサルタント、投資家。立命館アジア太平洋大学学長特別顧問。マーケット情報配信サービス「 スガシタボイス 」、株価の解説・予測が無料で読める「 スガシタレポート オンライン 」を配信中。

【10年後に差が出る富の作り方シリーズ】
(1)遅くとも30代までに知っておきたい「お金持ち」への道
(2)10年後に差が出る富の作り方 知っておきたい「経済の基本」
(3)なぜ、株価は上昇したり下落したりするのか?
(4)日本はなぜ、ここ20年「ほとんど成長していない」のか?
(5)30代までに知っておきたい「年収1億円」を達成する投資勉強術