株価が10倍以上になるためには、場合によってはそれなりの時間がかかります。場合によったら、中長期投資になるかもしれません。そこで、まずは2倍、3倍を狙ったトレードをしましょう。アベノミクスの影響もあり、2~3倍になった銘柄は山ほどありますから。(本記事は、尾崎式史氏の著書『株で1億円! このエントリーチャンスを狙い撃て!!』ぱる出版(2016/7/29)の中から一部を抜粋・編集しています)

まずは新興銘柄で2倍、3倍を狙う!

ただし、気を付けて頂きたいことがひとつあります。相場に暴落のサインが点灯したら、さっさと手仕舞ってください。この手の銘柄は、下落するのも早いですから。チャート分析方程式を見てみましょう。

東証マザーズ指数先物
(写真=PIXTA)

チャート分析の方程式

チャート分析=テクニカル分析+ファンダメンタルズ分析+ヒストリー分析

新興銘柄であれ、低位株であれ、2倍を狙おうが、10倍を狙おうが、相対的・絶対的普遍性を持つこのチャート分析方程式は常に成立します。特に、テクニカル分析に関しては、主要銘柄を狙うのと全く同じです。つまり、5・25日移動平均線分析をメインに、三種の神器を使いこなして、エントリーポイントを見出しましょう。

ヒストリー分析も基本的には同じです。この手の銘柄にはこの手の銘柄のヒストリーがあります。そして、そのヒストリーは何度も何度も繰り返されている事が多いです。なので、今後はひとつひとつ分析し、記憶していきましょう。

新興銘柄1

上の225先物と下のマザーズ指数の日足チャートを見てください。チャートの期間は揃えていますので、上下を比べるとその時々の値動きを比べることが出来ます。2016年2月12日の安値を付けるまでは、同じような値動きをしていますね。問題はここからです。

225先物はこの2月12日の安値から多少反発した後はもみ合い局面に突入しています。これに対し、マザーズ指数の方は、大きな上昇を演じています。もし、このタイミングでエントリー出来ていれば、マザーズ銘柄ならどれ買っても利益になっているような感じです。

このような局面に突入すると言うことを全く予測できなかったのでしょうか? ヒストリー分析をしていれば、このような局面は過去に何度もあることに気が付きます。そうであれば、ちょっと見方が変わります。大きな下落の後に上値が重たくなっている主要銘柄とは異なり、値動きが軽いマザーズ銘柄には短期資金や個人投資家が参入して来ます。その結果がこのような上昇を生み出します。では、超現実的に2~3倍になるトレードを見ていきましょう。手法としては、IPOセカンダリー投資と言われるものです。

新興銘柄2

グノシー <6047> の日足・週足チャート見てみましょう。まずは、週足のチャートを見てください。新規上場してから急騰しています。その後、乱高下しながら失速しているのが分かります。落ちて来ても飛び付かず、転換点を探ります。もちろん、週足チャートだけではその転換点となりそうなポイントを見つけ出すことは出来ませんので、そこは日足チャートでも確認します。

では、再度日足チャートを見てください。まずは、ポイント「1」です。GCが完了し、くいっとチャートが登場、しかもマザーズ指数はすでにGCを完了して上昇開始の雰囲気を醸し出しています。絶好のエントリーポイントです。ただし、全力買いのようなバカなトレードは控えて、数回に分けるか、他の銘柄にも振り分けるようにしましょう。

【株で1億円狙い撃ちシリーズ】
(2)株投資の真髄「くいっとチャート」と「がっくりチャート」とは?

ポイント「2」、「3」でも、上昇気配が出ていますので、買い増しでも問題ありません。チャートに上昇気配を感じることが出来れば、楽しくホールド出来そうです。もし、エントリー出来ていなくても、この後にまたまたチャンス到来です。そう、ポイント「4」ですね。チャート的には初押しと言うパターンですね。

こんな感じで、新興銘柄を狙うのも面白いでしょう。銘柄に関しては、新規上場後に大きな調整があった時に狙うので、忙しい方でも週末トレードで対応出来ます。エントリー直前は追跡の必要がありますが、エントリー後はストップロスを設定して放っておいても問題ないです。

どこまで上昇するかはその銘柄次第ですが、2~3倍はもちろんのこと、10倍の銘柄も出ています。このグノシーもポイント「1」でエントリーしていた場合は、2倍以上になっています。なので、コツコツと銘柄選定して、チャンスを待ちましょう。

【記憶しておきたい名言】


お金と言うのは丁度人間の第六感みたいなもので、もしも、この第六感とも言うべきお金がないと、我々は他の五感を完全に活用することができなくなってしまうのである/マサセット・モーム
『株で1億円! このエントリーチャンスを狙い撃て!!』ぱる出版(2016/7/29)画像をクリックするとアマゾンのサイトにジャンプします
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暴騰する低位株の見つけ方

銘柄を分類する方法はいくつかありますが、そのひとつが値嵩(ねがさ)株・中位株・低位株の3つに分ける方法です。明確な基準はないですが、値嵩株は株価の高い株式を指す言葉で、中位株が中くらい、そして低位株は低い株式、概ね株価が300円~500円以下のものを指します。

特に、株価が100円を下回るものを超低位株と呼ばれています。この株価からは倒産リスクも窺えることから、「ボロ株」とも言われています。東証1部銘柄だけでも沢山ありますが、低位株、ボロ株でネット検索すれば山ほど出てきます。

ここで、再度チャート分析方程式を見てください。低位株でも、この方程式が当てはまります。テクニカル分析、ヒストリー分析に関しては主要銘柄と全く同じです。ちょっとファンダメンタルズ分析が必要と言うだけです。確かに、このファンダメンタルズ分析を行うにあたってそれなりの手間が掛かります。財務諸表は読める必要がありますし、会社四季報のような企業情報も必要です。

ただ、これに見合うリターンが得られたらどうでしょうか? 低位株投資も新規上場銘柄と同じように2倍、5倍、10倍が狙えますので、ぜひチャレンジしてみてください。しかも、エントリー後は上昇スピードにもよりますが、バイ&ホールドが基本です。完全放置も可能ですので楽チンです。また、中長期投資と言えば、少額投資非課税制度NISAも有効活用できます。

【とっても簡単な銘柄選定の7つのポイント】

1 周期的急騰低位株を探す
2 低位株は重厚長大型産業に多い
3 赤字体質銘柄は避けるべし
4 売上高推移に注目(出来れば売上高分析をいろいろと試みる)
5 ビジネスモデルの確認(独自の技術やノウハウ、コスト優位性)
6 会社設立から上場までが短期間のIPO銘柄(成長株、セカンダリー投資)
7 業界シェアが高い銘柄、特定市場でもトップシェアならベスト

様々なテクニカル分析があるのと同様に、様々なファンダメンタルズ分析があります。また、それぞれのファンダメンタルズ分析にも特徴があり、使える場面も異なります。その上で上手く使えるものを使い、さらにテクニカル分析とヒストリー分析を加味して、絶好のチャンスを狙い撃ちしたいですね。

尾崎式史(おざき・のりふみ)
株式会社トレードライフコンサルティング代表取締役。