トヨタ自動車 <7203> が米テスラ・モーターズの株式を2016年3月期の間にすべて売却していたと複数報道機関が報じた。2010年から始まった資本・業務提携であるが、EVの共同開発では、企業文化の違いにより成果を上げる事が出来ていなかったようである。

テスラから電池供給を受けたEVも不発

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トヨタの電気自動車(左から)eQとi-ROAD(画像=TOYOTA Webサイトより)

トヨタは2010年にテスラへ5000万ドル(約45億円)の出資を行った。出資比率は約3%である。両社のトップが共同記者会見を行う等、世界的自動車メーカーと新進気鋭のベンチャー企業の提携は大きな話題を呼び、EV開発での成果が期待された。それから約7年、自動車業界の話題を集めた提携は、EV開発では大きな成果を残せないまま、ひっそりと終了する事となった。

両社の提携はテスラへの生産拠点の提供から始まった。テスラはカリフォルニア州にあるトヨタと米ゼネラル・モーターズの旧合弁工場をEV生産拠点として2010年に購入している。同工場は現在もテスラの重要な生産拠点となっている。

その後、テスラからの電池供給を受け、トヨタは2012年に米国でSUVベースのEVである「RAV4 EV」を発売した。しかし、販売台数の伸び悩みにより、2014年に同車種は生産終了となっている。これ以降、両者の協業はほとんど無く、2014年にトヨタは保有するテスラ株の一部売却を行っている。トヨタは残していたテスラの1%超にあたる234万株を2016年3月期中に処分しており、これにより、両者の提携は完全に解消された。

期待外れに終わった提携だが、両社にメリットも