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三菱電機が重視する8部門

三菱電機は家庭用電化製品から大型電気機器、人工衛星まであらゆる製品を作っている企業です。日本の一般的な家電メーカーでは東芝に次ぐ第2位の売上高を誇ります。中でも防衛分野に精通しており、防衛省と長い間の付き合いがある様です。また、ブラウン管の時代から携わっているテレビに関しても高い評判があって、中でも最新鋭の液晶テレビ「REAL」に関しては、美しい映像、臨場感あふれるサウンド、操作しやすい点、テレビ自体の在り方を全て兼ねている理想品です。年間売上高は5兆円に肉薄しています。創立100周年に当たる2020年に向け8部門(電力、交通、ビル、FAシステム、自動車、宇宙システム、パワーデバイス、空調)をバランス良く成長させる方針です。スペースの関係から、今回は交通部門、空調部門、そして、札幌ドームの大型ディスプレイに関して詳しく説明します。


綿密な列車運行システムを実装

三菱電機の100周年に向けた重点部門の1つとして、列車運行システムを中心とする交通システムがあります。列車は車掌と運転士だけで運転しているわけではなく、どこかの集中司令室で進行、加速、減速、停止、及び、ポイント切り替え(これがあるため集中司令室が必要)を指示しています。そのため、集中司令室には高性能な列車運行システムが必要になりますが、同社の列車運行システムはユーザインターフェースが優れているだけではなく、システム自身の拡張性が高く鉄道会社側が利用しやすく作られています。

三菱電機の列車運行システムの肝となるのがデジタルATCです。多チャンネル化された送受信システムにより前列車との距離を測定して、配線図、時刻表等を含め、それに応じた適切な運行速度を自動的に計算しており、(デジタルにも関わらず)アナログより滑らかな加減速を実現しています。プロセッサには32ビットの高性能デュアルCPUを用いており、万が一の際、司令部が停止しない様にするため、フェイルセーフには特に気を付けています。その他、部品の一部が壊れた時、それを部分的に交換できる仕組みになっているため、修理しやすい点がメリットです。


意外なモノまで取り扱う三菱電機、実は空調設備も!

横浜の大成建設の都市型ゼロエネルギービルは「電力を消費しないビル」と言われます。と言うのも、当ビルでは空調設備と照明に関して大きく節電しており、一般的なオフィスビルと比較して電力消費量を75%減らしている上、残り25%に関しても太陽光発電によって賄うため、消費するエネルギーと作られるエネルギーの差がありません。

ゼロエネルギービルの空調システムの開発に携わったのが三菱電機です。密度が高い都市部の労働者にとっても環境が良く、開放感があるシステムを作り上げました。具体的には、オフィススペース内の温度の違いを把握することによって、必要な部分だけ冷房を付けるシステムになっている他、人がおらず役に立たない部分の照明を切ることによって、通常より大きく電力消費量を減らしています。この様な最新技術が省エネルギーを実現しています。こんな所でも同社の技術が役に立っています。