第一回目は、30代の女性の悩みを紹介してきました。40代になると、子どもの教育費や住宅ローンの支払いなど出費もかさんできます。それに加えて、老後も視野に入ってくるでしょう。女性の平均寿命は87歳と男性よりも7年も長いため、最終的に一人になる可能性は高く、女性は老後について真剣に考える必要があります。

また、60歳で引退した場合、老後資金として1億円が必要という数字があがることもあるため、不安を抱える方も少なくありません。実際に老後の準備はいつから始めたらいいのか、みんなはいつから始めているのか気になるところです。

第二回目は、40代女性からの相談事例をとりあげてアドバイスをしていきます。

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(写真=baranq/Shutterstock.com)

漠然とした老後の不安 ~まゆみさん(仮名)の場合~

本人43歳・専業主婦、夫45歳・会社員、夫と子供2人の4人家族

今まで、教育費と住宅ローンの繰り上げ返済に精いっぱいで、老後のことを考える余裕もありませんでした。しかし、テレビや雑誌などを見ていると自分達の老後のことが心配になってきました。これから準備をしていっても間に合うのでしょうか。また、いくら準備をしておけばいいのでしょうか。

~FPからのアドバイス~
40代は教育費や住宅ローン返済などが、家計に占める割合が重くなる年代です。資金計画の立て方により今後の明暗が分かれてきますので、対策の立て方はとても重要になってきます。

住宅ローンの繰り上げ返済を一生懸命に行ってきたようですが、現在は歴史的にも稀にみる低金利です。繰り上げ返済も重要ですが、家計もバランスが大切です。まずは、借り換えを視野にいれた住宅ローンの見直しを検討してみましょう。総返済額で数百万ものコスト削減になることもあるため、その資金を老後のための貯蓄にまわしていくことも可能です。

ご主人は現在の会社で65歳まで働ける予定ということですので、定年までに20年あります。老後の資金を準備するには十分な年数といえるでしょう。老後資金としていくら準備をしておけばいいかということですが、これは、老後をどのように過ごしたいかによって大きく変わってきます。まずは、老後をどのように過ごしたいかをイメージし、そのためにはいくら必要か書き出してみましょう。

また、日本年金機構の「ねんきんネット」を利用すると将来の年金額がわかりますので、65歳以降の収入を計算してみましょう。支出と収入の差額が、65歳までに準備をしておきたい金額となります。まずは、夫婦でよく話し合い、将来どのように過ごしたいか夫婦間で意思疎通を図っておくことが大切です。

ライフプラン達成のための方法は「収入を上げる」「支出を下げる」「運用する」の3つです。65歳までに準備をしておきたい金額によっては、妻がパートなどに出て世帯収入を上げることも一つの選択肢となるでしょう。老後に向けて少額ずつでもいいので、少しでも早い時期から資産形成しておくことは将来、安定した生活を過ごす第一歩となります。

独身の場合の備えは? ~くみこさん(仮名)の場合~

42歳・独身・会社員(正社員)・年収530万円

結婚を考えた男性がいなかったわけではありませんが、気がつくと42歳になっていました。このまま一生独身でいく予定です。ただ、病気になったときのことや、介護が必要になったときのことを考えると不安です。

~FPからのアドバイス~
50歳まで一度も結婚したことがない人の割合を「生涯未婚率」といいますが、国立社会保障・人口問題研究所の調査によると、2015年に男性で23.37%、女性は14.06%となり、過去最高を更新しているようです。つまり、男性4人に1人、女性7人に1人が50歳まで一度も結婚していないということです。さらに、離婚や死別などを加えると、いわゆる「おひとりさま」の割合は増えていることがわかります。

一般的に、男性に比べると女性は生涯年収が少ない傾向にありますので、65歳以降に受け取ることができる老齢厚生年金も少なくなる傾向があります。先程のまゆみさんのケースと同様に、リタイア後の収支を計算して必要準備額を計算し、少しでも早くから準備をはじめていきましょう。

最後に……FPからのアドバイス

二回にわたって、30代、40代それぞれのライフイベントに合わせたお金の悩みを紹介してきました。それぞれに合わせたお金の計画を立てることが大切となってきます。

「どうしたらいいのかわからない」からこそ、不安になります。リタイア後の収入(老齢基礎年金、老齢厚生年金、企業年金、個人年金など)と支出(必要な生活費など)を数値化し、不安が「見える化」されることで、何をどれだけ準備していけばいいのかが明確になります。まずは、年金額や企業年金の見込額、個人年金額、保険の満期金などをチェックすることから始めてみましょう。

今の自分に何が必要なのかをきちんと把握し、お金について見直してみてはいかがでしょうか。(提供: 保険見直しonline

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