2017年1月より、確定拠出年金の対象が広がったことによって、公務員や専業主婦も加入できるようになりました。まだ「専業主婦=夫の年金に一緒に加入」という意識の人も多いかもしれませんが、時代の流れが変わった今、専業主婦も年金への関心は持っておきたいところです。

特に、将来的に仕事復帰を考えている主婦の方ならば、確定拠出年金を活用することをおすすめします。主婦が考えるべき確定拠出年金のポイントを紹介します。

個人型確定拠出年金(iDeCo)とは?

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(写真=Andrey_Popov/Shutterstock.com)

まず、確定拠出年金とは何かをおさらいしておきましょう。会社に属する「企業型確定拠出年金」と個人で加入する「個人型確定拠出年金」があります。個人型は愛称「iDeCo(イデコ)」と呼ばれています。

妊娠や出産を機に退職した専業主婦の方も、iDeCoへの加入資格があります。子育て主婦は教育費や住居費への関心が特に高く、自身の老後資金は後回しにしがちです。自身の年金を用意することも長い目で見れば家族のためになりますので、しっかりと準備しておきたいものです。

iDeCoに新規加入したい主婦の場合、まずは金融機関選びから行います。口座管理手数料、信託報酬額、運用商品の種類、サービス内容などを比較検討して選択します。複数の会社からパンフレットを取り寄せてみましょう。

基本的な加入の手続きは、申し込み用紙に必要事項を記載して送るだけです。夫の会社に連絡する、国民年金機構へ報告をするといった必要はありません。なお、郵送後に、加入資格などの確認・手続きが必要ですので、実際に運用を開始できるまでに少なくとも2ヵ月前後かかることを想定しておきましょう。

節税メリットは小さめ

主婦がiDeCoに加入する際の注意点として、節税メリットは小さいという点があります。iDeCoのメリットに掛金が所得から差し引かれる「所得控除」がありますが、現段階で収入がない主婦の場合、所得から控除されようがありません。

現段階での税制メリットは少ないですが、将来的に仕事復帰して所得が発生するようになれば、恩恵を享受することが可能です。また、掛金の支出は毎月発生します。そのため、定期収入がない主婦の場合、継続して支払えるだけの掛金を設定しましょう。

iDeCoに加入している主婦の場合

では、会社員時代にiDeCoに加入している場合の手続きはどうしたらいいのでしょうか。iDeCoは個人本位の私的年金ですので、退職後も当然加入し続けることが可能です。ただし、加入している金融機関にその旨の届け出をすることが必要です。

なかには退職と同時に掛金の支払いが難しくなることもあるでしょう。年に1回であれば掛金の変更ができますので、収入にあった額の掛金を設定しましょう。

iDeCo加入済みである場合の注意点

健康保険や公的年金は退職とともに制度が切り替わります。そのため、iDeCoについても退職したら運用商品の見直しや運用成績のチェックを忘れてしまう……という人も多いようです。しかし、iDeCoは続けているとそれだけで口座管理料がかかります。もちろん、商品自体に発生する信託報酬もあります。利益を出すべく、運用し続けることも忘れずに行いましょう。

なお、復職後は勤務先に企業型確定拠出年金制度があれば企業型の方へ移換することも可能です。

iDeCoで老後に備えてみては

主婦は基本的に収入がないため、掛金の捻出が難しい、税制メリットが少ないなどの注意点があります。しかしiDeCoに加入しておけば、年金受取時には大きなリターンが得られる可能性もあります。無理は禁物ですが、これからは年金を自分で用意していく時代なのは確かです。注意点を知り、iDeCoで老後に備えてみてはいかがでしょう。(提供: 確定拠出年金スタートクラブ

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