コンビニには必ずあるコピー機。ファックス送受信やスキャンが可能など多機能なことは誰もが知っているだろう。最近ではスマホ写真の印刷や、住民票や各種証明書の取得も可能だ。

共通で利用できるサービス——コピー、ファクス、行政サービスなど

コンビニ,セブン-イレブン
(画像=セブン-イレブンWebサイトより)

大手コンビニ3社にあるマルチコピー機で、コピー以外に共通してできることを挙げると、ファクス、写真サービス、ネットプリント、PDFプリント、スキャンサービス、行政サービス、コンテンツサービスがある。

よく使われるのは写真プリントサービスではにだろうか。スマホなどで撮影した画像を印刷できるというもので、サイズはL判や2L判、証明写真がある(コンビニごとに違いあり)。分割プリントのほか、ローソンとファミリーマートでは引きのばしプリント(小さい画像を大きくする)やポスタープリント(複数の画像を1枚にする)も対応している。写真プリントであれば30円/1枚から利用可能だ。

スマホのデータだけでなく、あらかじめスマホやパソコンからアップロードしておいた画像や文書、USBメモリやSDカードに保存してあるPDFの印刷も可能だ。データ関連では、書類や写真をデータ化するスキャンサービスもある。

また通常は役所に行かなければ入手できない住民票や印鑑登録証明書、各種税証明書、戸籍証明書、戸籍附票などを取得できるサービスも実はある。取得にあたっては自治体がコンビニ交付を実施してることが必要で、さらに利用者が住基カードまたはマイナンバーカードを持っていなければならない。取得書類によって利用料金は異なる。

そして最近注目されているのが「コンテンツプリント」だ。

家庭用プリンターの出荷台数減少

コンテンツプリントは、芸能人や声優などのブロマイドや楽譜、ラジオ番組の文字起こしなどを印刷できるものだ。

たとえばファミリーマートは、博報堂DYメディアパートナーズや文化放送と連携、ラジオ番組の内容をそのまま書き起こしたテキストを、番組終了後から印刷・購入できる「ラジオプリント」サービスを始めている。

芸能人や声優のブロマイドは、以前は印刷されたものを店頭で選んで買うものだったが、コンビニのマルチコピー機でも、好きな画像を選ぶことができる。実在の有名人だけでなく、アニメやゲームの好きなキャラクターを印刷することもできる。たとえばセブン-イレブンの「プリントキャラマイド」は、マルチコピー機の画面から気に入ったコンテンツを選んで購入する。くじ付きでL判1枚150円程度のようだ。

ローソンでは、最近開票が行われたAKB48の49thシングル選抜総選挙とコラボ。立候補メンバーのポスターを1枚350円(L判、2L判)で販売していた。コンテンツ自体はコンビニによって異なるものもあるが、いずれのコンビニでもサービスは提供されている。利用料金はコンテンツによって異なる。

こうしたプリントサービスの充実は、家庭用インクジェットプリンタの出荷台数が減少していることと関係しているかもしれない。IDC Japanによると、2016年のインクジェット製品の総出荷台数は前年比10.0%減の443万台。2012年には600万台程度だったことを考えるとここ数年だけでみても大きく減っていることが分かる。

自宅にプリンターがない人も増えているだろうし、たとえプリンターを持っていても「インクなどの消耗品を買うことを考えると、数十円から数百円できれいに印刷できるコンビニのマルチコピー機のほうがいい」と考える人がいても不思議ではない。

特定のコンビニでしか利用できないサービス

コンビニコピー機の中でサービスの種類が多いのはセブン-イレブンだ。セブン-イレブンではプリントサービスに限れば、はがきプリントを利用できる。これはオリジナルの絵はがきを作成できるもので、外部メディアを通じてプリント可能になっている。

そのほかにもセブンイレブンでは、エンタメチケット、レジャーチケット、バスチケット受け取り、電子マネー、スポーツくじ、各種保険、試験申込みなども利用できる。ただ、これらのサービスは、ローソンであればロッピーで、ファミリーマートであればファミポートで利用可能だ。

セブン-イレブンでは富士ゼロックス製のものが使われているが、ローソンやファミリーマートではシャープ製のものが使われている。またシャープ製はサークルKサンクスでも使われている。ミニストップではリコー製のマルチコピー機が利用されている。リコー製のものでも、コピーやファクス、行政サービスなどを利用できる。

基本はどこででも同じようなサービスを利用できる。コンビニコピー機を利用するタイミングは急いでいる時が多いことだろう。さまざまなサービスに対応していることを頭の片隅に入れておけば、将来的に何かの際に役立つかもしれない。(吉田昌弘、フリーライター)