チャート分析には、いろいろな指標があります。たとえば移動平均線ひとつをとっても、25日線、75日線などさまざまな種類があるので、多くの方から「25日線と75日線のどっちが重要なんですか」というような質問もよく受けます。でも、私は「両方重要です」といつも答えます。

投資,株式投資
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(本記事は、冨田晃右氏の著 『ど素人サラリーマンから月10万円を稼ぐ! 株の授業』 ぱる出版 (2017/5/23) の中から一部を抜粋・編集しています)

いろいろな指標を参考にする人 単一の指標にこだわる人

これはなにも答えをもったいぶっているわけではなく、ひとつの指標だけでチャート分析をするのは危険だということです。「この線だけ見れば大丈夫」とか「この指標をチェックすればあとは見なくても良い」などと言えれば簡単そうで分かりやすく、株で損している方やこれから株を始めようとしている方には聞こえがいいのでしょう。しかし、現実はそうではありません。

移動平均線は、25日か75日かというレベルを超え、もっと長期的に週単位、月単位でも見たほうがいいですし、見るべき有効な指標は基本的にはすべて参考にすべきです。

もちろんムダな指標は見なくてもいいのですが、見るべき有効な指標を見ない人は多くいます。トレードのセミナー講師でさえも、「単一の指標だけで売買できる」と平気で言ってしまう人もいます。トレードがそんな単純なものであったら、誰もが大金持ちになっているでしょう。

お金が減ることに「耐えられる人 耐えられない人」

少しでも手元に資金を残しておきたいと思うと、毎日の生活でも節約志向になりがちです。でも、トレードで長期的に稼ぎたいと思うなら、その考え方はあぶないかもしれません。「価値のあるものには投資する」という姿勢でいないと、買うべきところで買えなかったりするからです。

トレードをしていると、ロスカットなどでお金が減るのは避けられません。でも、長期的にはロスカット以上のリターンがあると思うから、それに賭けてトレードするわけです。たしかにそのまま負けてしまって取り返せない可能性もありますが、そこでトレードしなければ永遠に稼げるようにはなりません。

投資のリターンを早い段階で求めすぎるのは、よくありません。私は経験から導き出したいろいろな“買いサイン”“売りサイン”をスクールで教えていますが、結果をいそぐ人は表面的な手法だけを欲しがります。「なぜそのサインが出たら買いなのか」という本質を理解しようとしないことが多いのです。

指標やサインの本質を理解できていると、例外があることも自然に分かりますし、「別の面から見ればこうも言える」というように、新たなサインを“発見”することもできます。

トレードでは、こうした多面的なものの見方がとても重要です。ただ「株価が動き出したから買おう」というのではなく、「株価が動き出したということは、たくさんの人がこの銘柄を買っているからだ。それはなぜだろう」というふうに考えられる癖を持ったほうが、精度が高まるからです。

効率的に投資をすることは、毎日の生活、ひいては人生における物事の優先順位を考えることにもつながります。現時点でお金が減っても、長い目で見ればお金が増えている可能性があるのです。「目的を達成するために必要だと思えることには勇気をもって投資する」このことを日常生活のレベルから心がけてみてください。お金が減っても大切なことには投資する

冨田晃右
1970年生まれ。株式会社日本トレード技術開発代表取締役。自ら代表を務める「株式会社日本トレード技術開発」が運営する「株式スクール冨田塾」を全国各地で開催。