いよいよ「10年年金」の制度がスタートする。今まで老齢年金を受給できなかった人の多くが、今後は年金を受け取ることができるようになるわけだが、老齢年金制度の基本と合わせて理解したい。
まずは、老齢年金の基本から
仕事を引退したあとの一定の収入を、国として制度化したものが「老齢年金制度」だ。現役世代の人が毎月コツコツと年金保険料を支払い、そしてその時の高齢者に一定の収入として支払われるのが、この老齢年金制度の仕組みである。
つまり「保険料を支払う人がいてこそ、年金を受け取る人がいる」というのが制度の基本原則であり、今回はこの「受け取る人」の条件が緩和された。
その老齢年金制度であるが、2階建ての制度と言われている。
まず1階部分は、国民誰もが加入している国民年金だ。この国民年金からは、通常、65歳から老齢基礎年金が支給されるが、支給されるための要件があり、それが「国民年金の保険料を最低25年間納めること」である。今回の「10年年金」はこの「25年の納付要件」が「10年の納付要件」になった。
そして2階部分が、老齢厚生年金である。サラリーマンなどの被用者が、自分の収入に合わせた厚生年金保険料を支払い、その支払い保険料に応じて1階部分に上乗せされて老齢厚生年金が支払われる。収入が多い人は多くの保険料を支払うので、結果的には老齢厚生年金を多めに貰うことになる。