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マイナス金利とは?

最近、聞き慣れない「マイナス金利」と言う言葉が金融業界で飛び交っております。金利と言う言葉自体はみなさんの身近な所で銀行の預金金利等があり、預けた金額、期間、そしてこの金利により利子を受け取る事が出来ます。これらは「プラス金利」であるから利子を受け取る事が出来るのであって、「マイナス金利」の場合は逆に利子を受け取るどころかお金を払わなければならないのです。この例は分かりやすく説明する為にご紹介しましたが、実際に預金金利がマイナスになる事はなく、具体的には短期金利(取引期間が数日程度に適用する金利)や実質金利(物価上昇分を除いた金利)がマイナスになる事を指す事が一般的となっております。短期金利は特に日本などの超低金利政策を取っている様な国ではごく稀にマイナスになる事があります。実質金利は銀行の預金金利よりも物価の上昇率が高い場合に実際の価値が目減りする事からマイナス金利とみなされます。いずれにしても経済が健全な時に発生する現象ではなく異常時に発生するシグナル様な物だと考えておきましょう。


ECBのマイナス金利政策

2014年6月にECB(欧州中央銀行)は中央銀行が決定する政策金利を初めてマイナス金利にする金融政策を決定しました。欧州債務危機を受け超低金利政策を続ける事で民間銀行に潤沢な資金を融通してきましたが、信用不安により日本のバブル崩壊同様に貸し渋りの様相を長年にわたり呈してきた為、中央銀行がしびれを切らして最後のカードを切ってきた構図になってきております。本当に資金を必要としている人に経済の血流であるお金が回らないと経済はいつまでたっても復活しません。民間銀行は中央銀行からタダ同然で資金の提供を受けながらリスク回避の為、国債を買いあさるだけとなってしまっていたので中央銀行に余剰資金を預け入れる際に一定の手数料を徴収する事になりました。つまりこれがマイナス金利政策の正体であり、民間銀行は経済を活性化する可能性のある起業家などへの投資をしっかりと行うミッションを背負わされたのです。


日本への影響は?

こういったECBのマイナス金利政策の一方で日本はどうなっているかと言うとやはり金利の低下圧力が強まっています。特に短期の債券市場で3カ月満期の短期国債が一次的に-0.002%というマイナス金利で取引が成立した模様です。なぜこの様な事が起こっているかと言うとアベノミクスで異次元の金融緩和で、市場に流通する通貨を2014年度末まで増加させている事からその運用先を巡り、国債が不足傾向になってしまっているからなのです。短期国債だけでなく長期国債についてもこの傾向は追随しており2014年7月の新規発行国債の利回りは一年半ぶりの低水準となりました。国債は購入時の利回りにより利息が貰えますが、マイナス金利になってしまうと買う側がその分を支払わなければならない異常事態になっているのです。日本の景気がもっと良くなれば事業で必要な資金を融資する借り手が現れるのですが、現段階ではまだ民間銀行が融資先を探しても見つからないと言うのが実情のようです。やはり長引いた不況のせいで誰もがリスクを取って新しい事をやりたがらないと言うネガティブな思考に陥ってしまっているようです。