マイナス金利のメリット・デメリット

私達の生活の中でマイナス金利のメリット・デメリットを考えてみましょう。実際に銀行に貯金をしてお金を取られるという事態にはなりませんのでマイナス金利は一般市民からしてみると超低金利状態という認識をしておけば良いかと思います。メリットとしては住宅ローンの金利が非常に低いので住宅購入を考えている方には非常にプラスになりますよね。過去のバブル景気の時代には10%近い金利でローンを組んでいた人もいましたから当時と比較すると1/5~1/10位低い金利で借りる事が出来るのでまさに夢のようですね。

逆にデメリットですがやはり貯金の預金金利が低い事です。銀行も中央銀行から大量の資金を供給され運用に困っている状態で、一般市民からの貯金を募らなくてもお金がだぶついている状態なのです。やはりここでもバブル時代と比較してしまいますが、定期預金で4%の預金金利が付いていた時代がありました。複利で約10年程度預けると預けた額のほぼ倍の金額が返ってくるような時代でした。現在ではその1/100程度の預金金利しかありませんのでタンス預金とほぼ何ら変わらない様な状態ですね。


マイナス金利でこの先どうなるのか?

さてこの様なマイナス金利(超低金利状態)が続くとこの先どの様になっていくのでしょうか。通常ですとこの様な状態が長く続くと物価が上昇してくるのが正常な経済です。つまりお金より物の価値がどんどん上昇してしまい、よく新興国で目にするバナナ1房買うのに札束を積み上げる様な状態になってしまいます。1万円札では足りず10万円札が登場して最悪の場合にはハイパーインフレ状態に陥ってしまうでしょう。

しかし現在日本ではもう15年以上もこういった超低金利政策が続いていますが物価が上がるどころかその逆のデフレ状態に陥っています。日銀がインフレターゲットを2%(バブル時と同程度)に設定して金融緩和を続けていますが、こういった金融政策はさじ加減が難しく必ずと言っていいほどやり過ぎた後に急激な締め付けが来る事が知られています。日々を過ごしていると現在が異常な事態だと言う事を忘れがちになってしまいますが、急激な金利上昇になっても大丈夫なように住宅購入などの大きなイベントを設計しておくべきでしょう。

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