今年も路線価が発表された。1位はもうおなじみの東京・銀座「鳩居堂前」。32年間不動の1位である。なぜ毎回同じ場所が1位なのか。2位以下はどうなっているのであろうか。また他の都道府県でも同じような結果になっているのであろうか。

2017年発表の路線価が示すものは

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(写真=PIXTA)

毎年7月に国税庁から発表される路線価。相続税の算出時や金融機関が不動産の積算価格を算出する際に参考にする。路線価は公示価格をベースにその約8割で設定されている。2017年度の発表でも32年連続で銀座の鳩居堂前が最も高いという結果で、1平方メートルあたり4032万円である。その上昇率は去年比で26%でもある。

さらにこの4032万円という価格の驚くべき点は、過去最も高い価格であったバブル期の3650万円を大幅に上回ったという結果である。バブル期よりも高い価格。これが全国的にも同じ現象として表れているのだろうか。もしそうなら、今年に入ってから騒がれている「賃貸アパートへの融資残高がバブル期を超えた」ことで金融庁が懸念しているのも、取り越し苦労だと言える。

実際の取引価格よりも控えめな路線価価格がどの地域でも上昇しているのであれば、不動産投資にもそれほど悪影響ではないはずだ。

しかし実際には2位以下、特に下位に位置する地域での路線価こそが、社会問題を浮き彫りにしている。

2位下も東京オフィスエリア、郊外の住宅街は下げ止まり