子どもが誕生したことをきっかけに生命保険に入ろうと思う人は多いようです。しかしいざ加入する場合、どのくらいの保険金を準備しておけばいいのか、保障期間はどうすればいいのか、考えることがたくさんあります。

もし自分に万が一のことが起こった時に、残された家族の生活を支えるのはとても重要なことです。自分に合った生命保険を探してみましょう。

子どもが生まれたらなぜ保険が必要なのか

(写真=PIXTA)
(写真=PIXTA)

「保険料分を貯蓄に回そう、万が一の時の家族の生活費は今まで貯めた分で補てんしよう」という話を雑誌やテレビで見聞きすることがあります。このような話だけ聞いていると、生命保険には入る必要がないと思われがちですが、それは大きな誤解です。家族がいる人、特に子どもがいる人は生命保険加入が必須ともいえます。

まず、預貯金と生命保険を表す言葉に「貯蓄は三角、保険は四角」というものがあります。貯蓄は一度に準備することはできません。ある程度の金額になるまで数年、場合によっては数十年かかります。ですが、生命保険は加入後すぐに、保障が約束されます。これは生命保険の大きな長所です。

もう一つ、生命保険が必要である理由に「家族の生活基盤を壊さない」ということもあります。もし預貯金があったとしても、家族内で働く人が一人いなくなれば、預貯金は目減りする一方です。また、現在、共働きで配偶者に十分な稼ぎがある家庭でも、残された配偶者一人に生活費の負担、家事負担がかかり、今までのような働き方はできなくなるかもしれません。

そして、最大の問題は教育費です。収入が減ることで、子どもの進学計画まで変更しなければならない恐れも出てきます。子どものためにも、これだけは避けたいものです。

世帯主向け保険の種類

よく見る生命保険商品がどのような特徴を持っているのかを詳しく見ていきましょう。

まず、「終身保険」ですが、これは保障期間が生涯にわたって続くものです。自身の葬祭費用として利用するために加入する人もいます。また払済みの終身保険を準備することで、万が一の死亡保険という面と解約して解約金を老後の資産として使っていく運用面での両面があります。

「定期保険」は、保険期間が10年、15年など決められているものです。保障期間が過ぎれば自動で更新されるものがほとんどです。ある一定の年齢を過ぎたら更新がストップされる商品もあります)。定期保険の中には、保険料は変わりませんが、一定時期ごとに保障金額が減る「逓減定期保険」、反対に増える「逓増定期保険」という商品もあります。収入保障保険の方が認知度が高いので分かりやすいかもしれません。

「学資保険」は終身保険・定期保険と少し性格が違い、子どもを持つ親のための保険です。学資保険では親が契約者(祖父母の契約も可能)、子どもが被保険者となります。契約者が亡くなった場合は、その後の保険料払い込みが免除になるのも人気の理由です。(契約者の年齢によって払込免除特約を付けられない場合もあります)

保険金は「祝い金」として15歳、18歳など進学のタイミングで受け取ることができます。親に万が一のことがあった時の保険としても使えますが、将来の学費の積み立てという目的で加入している人が多いのが特徴です。

どのくらいの金額を準備するのがいいのか

保険を契約する時、気になるのは保険金額をどう設定すればいいのかではないでしょうか。それでは、以下の条件の場合はいくら必要なのか、計算してみましょう。

● 年間生活費:360万円
● 子ども(末子)の年齢:3歳(高校卒業年齢18歳で独立予定)
● 妻の年齢:30歳

一般に、末子が独立するまでに、
現在の年間生活費×70%×(末子の独立時年齢-末子の現時点の年齢)

末子独立後は
現在の年間生活費×50%×末子独立時の配偶者の平均余命

という計算式で算出される金額が遺族の生涯生活費と言われています。具体的な金額を確認してみましょう。

末子が独立するまで
360万円×70%×(18歳-3歳)=3,780万円

末子の独立後
360万円×50%×42.90歳=7,722万円

合計:3,780万円+7,722万円=1億1,502万円

この計算から、遺族の生涯生活費は大きな金額であることが分かります。しかも、この数字は生活費のみです。こちらに子どもの教育費なども加算されることになります。

遺族がもらえるお金も考慮して、保険に入ろう!

算出された金額そのままを保険で準備すべきなのかというと、そうではありません。この計算では、現時点の預貯金、妻の給与・退職金や年金、児童手当などを考慮していないのです。また、住宅ローンを抱えた持ち家ならば、団体信用生命保険で残ったローンが支払われることも忘れてはいけません。

生命保険への加入を考える時は、遺族が今後受け取れる予定のお金のことも考えながら、必要額を算出するようにしましょう。高い保障金額ならば安心と思って加入すると、保険料が高額となり支払いができなくなってしまう可能性もありますので注意が必要です。

子どものために必要な保険を選ぼう

現在、貯蓄が十分にあったとしても、配偶者や子どもの生活を守るために生命保険は必要なものです。自分が亡くなっても家族には余裕ある暮らしを保障してあげたい、子どもの進学に制限をかけたくないと考えるのでしたら、ぜひ生命保険への加入を考えてみてください。

(提供: 保険見直しonline

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