ファンダメンタルズって何だろう?-300x200

FXを始めたばかりの初心者が戸惑うのは、日常生活ではまず目にすることがない難解な用語の数々。これらを理解しないことには、FXでの成功はないと言っても過言ではないでしょう。 今回はそんな用語の中から、「ファンダメンタルズ」について解説していきます。

ファンダメンタルズの辞書的な意味は、「世界経済や一国の経済、企業経営を判断するための基礎的要件」となります。FXの世界では、「為替相場に影響を与える各国の金融政策や経済指標、政治状況などの要件」と理解されます。


各国の金融政策が為替相場に与える影響

2012年の時点でFXをやっていらした方なら、2012年10月以降の急激な円安は記憶に新しいところでしょう。それまで1ドル77円台だったドル円相場が、2012年末には85円台、2013年5月には100円台、2014年10月には約6年2ヶ月ぶりに110円台をつけました。

これを簡潔に説明すれば、市中に出回るお金の量を増やしてインフレ状態を作り出そうという政策です。日本の通貨である「円」が大量に出回ることになるわけですから、当然価値は落ちます。その結果として円安状態が生まれるわけです。日銀が実際に金融緩和に動いたのは2013年4月ですが、市場は半年前からその動きを先取りして円安に動いていたのです。

このように、各国の金融政策はダイレクトに為替相場に反映されます。現在アメリカの金融政策に注目が集まっていますが、こちらは日本とは逆で、市中に供給するお金の量を徐々に減らすタイミングを探っています。そうなると次は「どのタイミングで金利を上げるか」という話になりますので、それを想定してドル高が進んでいくわけです。


為替相場を動かす経済指標

各国はその国の経済状態を表す統計情報を発表しています。主なものには国内の経済活動全般を表すGDP(国内総生産)、貿易の収支を表す貿易統計、雇用の状況を表す雇用統計などがあります。これらの統計情報は、本来であればすぐに為替相場に影響を与えるものではありません。しかし、各国の経済政策や中央銀行の金融政策を決定するための重要な材料となるため、その良し悪しで為替相場が変動することもあります。

代表的なのはアメリカの雇用統計です。通常は毎月第一週の金曜日に発表されるこの指標は、現在為替相場への影響が最も大きい指標として知られています。発表された瞬間に1円以上動くことも珍しくなく、多くの投資家が注目しています。

他にも数多くの指標が世界中で毎日のように発表されますが、為替相場に影響を与える指標はそう多くはありません。FX会社の中には為替相場に影響を与える指標を重要度ごとにランク付けして情報提供をしているところもありますので、それらを参考にしてください。


大事件でも相場は動く

金融政策や経済指標の他に相場を大きく動かす可能性があるのは、戦争やテロ、自然災害などのニュースです。記憶に新しいのは、2013年4月に起きたアメリカ・ボストンの爆弾テロ事件です。世界的に有名なマラソン大会であるボストンマラソンで発生したこのテロ事件は、日本でも大きく取り上げられ大きな衝撃を与えました。

このとき為替相場では、1ドル98円付近で推移していたドル円がほんの数時間のうちに95.8円付近まで変動しました。日本では2011年3月11日、あの悲惨な東日本大震災が発生しましたが、この時も為替相場は大きく変動しました。これらの事件に為替相場が反応するのは、その国の経済活動に影響を与えるのではないかと予測してのものです。ですので、長期的に影響を及ぼす出来事ではないと判断されれば、為替相場は元の水準に戻っていきます。先述のボストンテロ事件の際にも、ドル円はその日のうちに1ドル98円台の水準を回復しています。


ファンダメンタルズは中長期視点で取引に活かそう

ここまでファンダメンタルズを構成する主な要素を解説してきましたが、最も注目してほしいのは最初に挙げた各国の金融政策です。なぜなら、金融政策の方向性は頻繁に変更されるものではなく、中長期的に相場に影響を与え続けるからです。FXは短時間でも成果を上げることができる投資として知られていますが、その場合でも為替相場の大きな方向性を知っておくことは大切です。

経済指標や大きな事件で一時的に為替が変動することはありますが、金融政策が変わらない限り、数ヶ月の単位で見ればほぼ間違いなく元の流れに戻っていきます。短期の取引をするのはFXに馴れてからで十分。まずはFXという投資の特性を理解しながら、長期的な目線で相場の流れをつかむことが大切です。


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