医学や科学が発達した現代日本では、昔に比べて多くの人が長寿になったものの、それでも健康を保ち、自分の意思で人生を楽しむことができる期間は限られています。限りある人生のリソースの中で、どうやって人生を楽しむか、そのカギのひとつとなるのが「お金」です。

時間とお金は有限のリソース

(写真=Looker_Studio/Shutterstock.com)
(写真=Looker_Studio/Shutterstock.com)

イソップ寓話の「アリとキリギリス」では、冬の食料を蓄えるために夏中働き続けたアリと、バイオリンを弾いたり歌ったりして夏を満喫したキリギリスが登場します。寒い冬がやってきたとき、どちらが暖かく幸せに冬を越せたのかは、皆さんご存知の通りです。

この話の結末には諸説ありますが、子ども向けのよく知られているストーリーでは、アリは困窮したキリギリスに食料を分け、感謝したキリギリスは心を入れ替えてまじめに働くようになります。つまり、人生の楽しい時期(夏)でも、環境に甘えずにコツコツと働いた人が、人生の厳しい時期(冬)には勝者になれるということを示しています。

人間も同様に、人生の楽しい時期にあえて仕事のスキルアップをするのか、学習するのか、それとも趣味に興じるのか。有限なリソースである「時間」と「お金」を何にどう使うかによって、5年後、10年後のあなたの姿は大きく変わるといえます。

「キリギリスのように人生を楽しみ、働きアリの成果を得る」

昨今の日本では「働き方改革」が叫ばれています。経済成長著しかったバブル期は、「24時間戦えますか」というフレーズが流行ったように、「働きアリ」であることが美徳とされていた社会でした。

しかしその後、長時間労働によるメンタルヘルス不調、過労死、自殺、待機児童、介護離職など、日本人の「働き方」に起因するさまざまな社会問題がクローズアップされました。コツコツまじめに働く「働きアリ」であり続けることに疑問を持つ人も増えています。

これだけグローバル化が進み、IT技術が発達するなかで、「キリギリスのように人生を楽しみつつ、働きアリのような成果を得たい」という考え方が生まれてもおかしくはありません。そこでポイントとなるのが「投資」です。

「お金に働いてもらう」ということ

投資とはすなわち、「お金に働いてもらう」ということです。人生の「時間」と同じ有限なリソースである「お金」を適切な投資先に投じることで、より多くの利益を得るということです。

2016年、日銀は「マイナス金利」の導入を決定し、世界の注目を集めました。日本人の金融資産の多くが預貯金であることはよく知られていますが、現在の金融政策下で日本の銀行預金利息は限りなくゼロパーセントに近く、ほとんど「タンス預金」と変わりません。

たとえお金を持っていても、銀行預金で寝かせているだけでは、「お金に働いてもらっている」とはいえない状況です。

もし、同じ年収から同じ金額を貯金したとき、安定性を求めて定期預金のみで運用した人と、多少リスクがあっても株式や不動産などに投資して運用した人では、将来的に大きな資産格差が生じる可能性があります。これが、「お金に働いてもらう」ということです。

「お金」というリソースで「時間」を買う

お金に働いてもらい、余剰資金が得られれば、「お金」というリソースで「時間」を買うという考え方もできます。日本では、何事も汗水垂らして自分の手でまかなうことが美徳とされる風潮があります。しかし、掃除や洗濯などをハウスキーパーに任せれば、自分や家族との時間を確保できますし、割高でもタクシーを使って移動することで、時間や気力を確保することができます。

これらの行為には、もちろん一時的な出費は伴います。ただ、お金は働けばまた稼ぐことができますが、「若さ」や「大切な人と過ごす」、「スキルアップに費やす」といった「時間」は、あとでどれだけ後悔したとしても取り戻すことができないのです。

株式や不動産への投資に限らず、すべてのお金の使い道を考えるときは、長期的なビジョンに立って、どのような使い方が最も高いパフォーマンスを得られるかを考えるべきでしょう。「投資」を制する人は人生を制するといっても過言ではないのです。

(提供: Incomepress

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