フリーになることにはメリット、デメリット両方あるだろうが、気をつけるべきは労災・健康保険・年金などの社会保障が手薄になるかもしれないことだ。特に仕事ができなくなると収入が途絶え非常に手痛い。この点をカバーする民間保険も近年販売されている。

正社員労働者とフリーランスの社会保障比較

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(写真=Roman Samborskyi/Shutterstock.com)

正社員である労働者が加入する社会保障制度を整理したい。労働者のための保険として、業務上の負傷に対して補償するための労災保険と、失業者の生活保障等に備える雇用保険がある。

その他医療費の窓口負担軽減などに対する保険となる健康保険、介護サービスに対する保険である介護保険(40歳以上の場合)、老後や一定の障害状態にある人、若くして大黒柱を亡くした遺族の保険給付に充当される厚生年金にも加入する。

これがフリーランス(自営業者)となった場合には、どのように変わるのであろうか。

まず労災保険と雇用保険は労働者のための保険になるので、個人事業主は加入できない。

「一人親方」などと呼ばれる建設業の自営業者などは、労災保険に関しては第2種特別加入という形で加入できるが、建設業など労災の危険性が高い業種に限定されている。

一方、健康保険に関しては市町村等の国民健康保険に加入し、年金に関しては国民年金に加入する。会社員であれば給与から雇用保険や健康保険・厚生年金から天引きされているが、国民健康保険料や国民年金保険料に関しては、自分で納付することになる。

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