決算結果と来期予想からみる株価の行方

前期の決算ですが、今期は売上高が前年より下回り、販管費が増えたこともあり、最終的には、2億9,600万ほどの赤字となりました。来期の予想も赤字となっております。赤字企業とはいえIT社会においてのセキュリティ強化は必須となってきており、従来の認証方法では限界がある事から今後、DDSのバイオメトリクス事業における指紋認証システムやセキュリティの需要はますます高まる事が予想されます。また、いくつかのライセンス契約もおこなっており、今後は開発したライセンスを収益にかえていくというビジネスも推進していく予定があるようです。株価も1年ほどでみてみると高値水準にきており、今は赤字企業でも将来を見据えて期待買いを行っている投資家も多いのではないかと感じます。

政府のマイナンバー導入によるDDSの影響は

政府は、社会保障と年金の管理をスムーズに行う為、2016年をめどにマイナンバー制度を導入する予定と発表しました。マイナンバー制度を導入するというニュースをうけて、ジャパンシステム< 9758 >とDDS< 3782 >の株価が急騰しました。というのもマイナンバー制度を導入することによるシステム設備等の初期費用が、2,000~4,000億にものぼるといわれています。また、毎年毎年の設備管理費等にも費用が発生するという事から、両社の将来の収益拡大を後押しするとみて買われたようです。マイナンバー導入は、DDSにとって追い風になることで収益拡大に大いに影響を与える要素の一つです。

今後の事業拡大による収益拡大とリスクについて

今後のセキュリティ強化の流れ、ライセンス契約事業の拡大、マイナンバー導入など政府や大学との共同産学など盛りだくさんの材料があるDDSですが、現在は赤字で特に研究開発費、販管費などの費用がかさんで赤字になっています。今後事業が拡大し、収益がふえる可能性があってもリスクはつきものです。DDSが抱えるいくつかのリスクは、まず会社で海外債権を多く持っているため、為替リスクがあります。商品に欠陥が出たな場合や不具合が生じた場合、大規模なリコールにつながる為、経営状況が悪化します。投資先の事業が悪化した場合に、出資先の支払い遅延が発生しして財務や収益に影響がある可能性があります。このように業績拡大の期待は大きいものの、その分リスクも大きいものを抱えているのがDDSという会社になります。初心者向きではないかもしれませんが、将来の期待を買う分には夢のある会社かもしれません。

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